Joy to the World もろびとこぞりて
主は来ませり もろびとこぞりて 迎えまつれ
『Joy to the World ジョイ・トゥ・ザ・ワールド/諸人こぞりて(もろびとこぞりて)』は、ヘンデル(Handel)のオラトリオ『メサイア(Messiah)』からのメロディに基づいて作曲されたクリスマスキャロル。
作詞はアイザック・ワッツ(Isaac Watts/1674-1748)、作曲はアメリカ教会音楽の第一人者ローウェル・メーソン(Lowell Mason (1792- 1872)。
ローウェル・メーソンは、この曲の他にも1600曲以上の聖歌を世に残している。有名なところでは、映画「タイタニック」やアニメ「フランダースの犬 最終回」で用いられた讃美歌『主よ御許に近づかん』がある。
【YouTube】Mariah Carey マライア・キャリー盤
歌詞の意味・和訳
Joy to the world, the Lord is come!
Let earth receive her King;
Let every heart prepare Him room,
And heaven and nature sing,
And heaven and nature sing,
And heaven, and heaven, and nature sing.
世界に喜びを 主はきませり
主を迎え入れよ
みな心に神を抱くのだ
天も地も歌え
Joy to the earth, the Savior reigns!
Let men their songs employ;
While fields and floods, rocks, hills and plains
Repeat the sounding joy,
Repeat the sounding joy,
Repeat, repeat, the sounding joy.
世界に喜びを 我らを統べる救世主
歌声を響かせよ
野や丘に 岩山や河川に
響き渡る喜びよ とこしえに
No more let sins and sorrows grow,
Nor thorns infest the ground;
He comes to make His blessings flow
Far as the curse is found,
Far as the curse is found,
Far as, far as, the curse is found.
増やすまじ 罪と悲しみ
苦痛の種も蔓延らせまい
祝福を与えんと主はきませり
災いの種のある限り
He rules the world with truth and grace,
And makes the nations prove
The glories of His righteousness,
And wonders of His love,
And wonders of His love,
And wonders, wonders, of His love.
主は真理と慈悲で世を統べ
人々に確かめさせる
神の栄光と正義を
主の愛の奇跡を
讃美歌「もろびとこぞりて」日本語歌詞
もろびとこぞりて 迎えまつれ
久しく待ちにし
主は来ませり 主は来ませり
主は 主は 来ませり
悪魔のひとやを 打ち砕きて
とりこをはなつと
主は来ませり 主は来ませり
主は 主は 主は来ませり
この世の闇路(やみじ)を 照らしたもう
たえなる光の
主は来ませり 主は来ませり
主は 主は 来ませり
しぼめる心の 花を咲かせ
恵みのつゆおく
主は来ませり 主は来ませり
主は 主は 来ませり
平和の君(きみ)なる 御子(みこ)をむかえ
救いの主(ぬし)とぞ
ほめたたえよ ほめたたえよ
ほめ ほめたたえよ
日本語歌詞の補足
もろびと(諸人)
多くの人、たくさんの人、あらゆる人。
こぞりて
「一人残らず、 すべて」といった意味。
主は来ませり
「来ませり」とは、動詞「く(来)」の連用形「き」、尊敬を表す補助動詞「ます(坐)」の已然形「ませ」、そして完了の助動詞「り」の終止形「り」の3つから成り、「おいでになった」「いらっしゃった」の意味になる。
悪魔のひとや
「ひとや」とは「人屋」、つまり「牢屋(ろうや)」のこと。
とりこをはなつと
「とりこ」とは「捕虜」、つまり牢屋に入れられていた人々のこと。
たえなる光
「たえ」とは「妙(たえ)」、何ともいえないほど美しいさま、不思議なまでにすぐれているさまを表す。
マライアキャリーやボニーMもカバー
クリスマス・キャロル『Joy to the World』は、世界的に最も人気のある定番クリスマスソングの一曲として、世界中の様々なアーティストによってカバーされている。
YouTube動画で同曲を検索してみると、マライア・キャリーやホイットニー・ヒューストン、ボニーMらのアレンジによる『Joy to the World』がいくつかアップされているようだ。
70年代のディスコバンド、ボニーM(Boney M.)のアレンジは、大ヒット曲『ラスプーチン Rasputin』のイメージとはガラッと変わり、クリスマスソングとして非常にゆったりとしたリズムで、透明感のあるバックコーラスも心地よく、子供から大人まで安心して聴けるスタンダートなカバーとなっている。
一方、ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston/1963-2012)のゴスペル版は、出だしこそ穏やかにしっとりとソロパートで始まるが、一転してゴスペルクワイアのコーラスが加わると、アップテンポで躍動感あふれるパワフルなゴスペルソング風『Joy to the World』が展開される。
【YouTube】ボニーM Joy to the World
【YouTube】Whitney Houston ゴスペルソング Joy To the World
曲名は同じだけど別の曲?CMでもおなじみ
マライア・キャリー(Mariah Carey)によるカバーについては、世界的大ヒットクリスマスソング『All I Want for Christmas Is You 恋人たちのクリスマス』を収録した1994年リリースのアルバム「メリー・クリスマス Merry Christmas』の6曲目に収録されている。
このマライア・キャリー版『Joy to the World』にはユニークな演出がなされており、同じ曲名だがまったく別のポップスであるThree Dog Night『Joy to the World』が同じトラックにメドレー形式で収録されている。
ロックバンドThree Dog Night(スリー・ドッグ・ナイト)による『Joy to the World』は、日本でもテレビCMで何度か使われているので、おそらくサビを少し聞けば「あああの曲か」とすぐに分かるはずだ。こちらの曲の詳しい解説については以下の関連ページを適宜参照されたい。