アメリカ南北戦争 有名な歌と歴史
19世紀アメリカで北部州と南部州が激突した未曽有の内戦
1861年から1865年に起きたアメリカ南北戦争(American Civil War/アメリカン・シヴィル・ウォー)に関連する有名な歌をまとめてみた。
この戦いは、奴隷制存続を主張する南部11州が合衆国を脱退してアメリカ連合国を結成し、北部23州との間で戦争となった内戦で、少なくとも70万人以上の死者を出す未曽有の混戦となった。
写真:アメリカ南北戦争 北軍の模擬戦(出典:Steve Estvanik©123RF)
写真:アメリカ南北戦争 南軍の模擬戦(撮影:Steve Estvanik©123RF)
アメリカ南北戦争を最も象徴する楽曲としては、北軍兵士らの流行歌『ジョン・ブラウンの亡骸』を元に生まれた『リパブリック讃歌』や、南軍で愛唱された『ディキシー』が特に有名。
『ジョン・ブラウンの亡骸』は、日本の替え歌『ごんべさんの赤ちゃん』原曲としても知られている。
写真:アメリカ南北戦争 模擬戦での南軍(Kevin M. McCarthy©123RF)
有名な「ジョン・ブラウンの蜂起」など、アメリカ南北戦争に関連する主な歴史・出来事についても簡単にまとめておくので、歴史に興味がある方は参照されたい。
南北戦争に関連する曲
- リパブリック讃歌
- 19世紀アメリカ南北戦争時に生まれたアメリカ愛国歌
- ジョン・ブラウンの亡骸 歌詞の意味 John Brown's Body
- 『ごんべさんの赤ちゃん』原曲とされるアメリカ南北戦争時の流行歌
- ごんべさんの赤ちゃん 歌詞の意味 遊び歌 原曲
- ヨドバシカメラの歌・CMソングのメロディで歌う替え歌。原曲は『ジョン・ブラウンの亡骸』。
- ディキシー Dixie's Land
- アメリカ南北戦争が始まる3年前の1859年にダニエル・エメットが発表した曲。
- ジョニーが凱旋するとき
- アメリカ南北戦争の北軍で歌われていた酒宴の歌『Johnny Fill Up the Bowl』のメロディに新たな歌詞をつけた楽曲。
- ジョージア行進曲
- 『大きな古時計』を作曲したヘンリー・クレイ・ワークの作品。アメリカ南北戦争終盤の1864年に展開された、シャーマン将軍による快進撃「海への進軍」をモチーフとしている。
- ヤンキードゥードゥル Yankee Doodle
- 18世紀アメリカ独立戦争の頃から歌われるアメリカ愛国歌。南北戦争でも。
- オーラ・リー Aura Lee
- アメリカ南北戦争が勃発した1861年発表。故郷に彼女を残して出兵していった多くの若い兵卒等に愛唱された
1863年 リンカーン大統領 奴隷解放宣言
南北戦争中の1863年1月1日、当時のリンカーン大統領は、南部州の奴隷解放を命じた宣言を行った(予備宣言は1862年9月)
これにより、北部州から見た南北戦争の目的として、連邦の維持(国家統一)に加え、奴隷解放という大義名分が加わり、国内や海外諸国からの大きな支持を呼び込んだ。
海外諸国は、奴隷制を廃止しようという米国の新しい取り組みを賞賛。英国やアイルランドなどの海外諸国から、南部連合が「一つの主権国家」として承認される可能性は消滅した。
挿絵:閣僚に奴隷解放宣言の初稿を提示するリンカーン大統領(作:フランシス・ブリッケル・カーペンター)
アンクル・トムの小屋
1852年に単行本が刊行された小説『アンクル・トムの小屋』(Uncle Tom's Cabin/アンクル・トムズ・キャビン)は、奴隷制度への反感を高め、アメリカ南北戦争への大きなきっかけとなったとされる。
1861年のアメリカ南北戦争開戦後、エイブラハム・リンカーン大統領は、『アンクル・トムの小屋』の作者であるストウ夫人と会見した際、こんな挨拶をしたという。
the little woman who wrote the book
that made this great warあなたのような小さな方が
この大きな戦争を引き起こしたのですね
1863年 ゲティスバーグの戦い
1863年7月初旬、ペンシルベニア州ゲティスバーグで南北戦争史上最大の激戦「ゲティスバーグの戦い(Battle of Gettysburg)」が起きた。
北部州(アメリカ合衆国軍)と南部州(アメリカ連合国)が双方総力を結集し、日本で言えば関ヶ原の戦いのような事実上の決戦となった。
被害数は両軍同じぐらいだったが、戦力に余裕がない南軍は突撃失敗で大きく戦意を損ない、以後の戦局は北軍優位に傾いた。
写真:アメリカ南北戦争 最大の激戦地ゲティスバーグ(出典:wikipedia)
南軍歩兵は、ナポレオン戦争の頃のように密集陣形を維持したまま、一斉に北軍前線へゆっくりと突撃していった。
この突撃は、将官の1人ピケットの名前から「ピケットの突撃(ピケット・チャージ/Pickett's Charge)」と呼ばれる。
激しい砲撃と銃火により、突撃した南軍兵士の過半数は自陣に帰還する事はなかった。
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