ジョン・ブラウンの亡骸 歌詞の意味
『ごんべさんの赤ちゃん』原曲とされるアメリカ南北戦争時の流行歌
『ジョン・ブラウンの亡骸(なきがら)』(John Brown's Body)は、1861年に勃発したアメリカ南北戦争において北軍の兵士らが歌っていた流行歌・行進曲。
南北戦争中の1862年に新たな歌詞がつけられ、アメリカ愛国歌『リパブリック讃歌(The Battle Hymn of the Republic)』として今日まで歌い継がれている。
後に『ジョン・ブラウンの赤ちゃん』(John Brown's Baby)として替え歌され、日本の童謡『ごんべさんの赤ちゃん』として日本語の歌詞もつけられた。
写真:ジョン・ブラウン(John Brown/1800-1859)
ジョン・ブラウン(John Brown/1800-1859)とは、南北戦争直前の1850年代アメリカで活躍した活動家。
19世紀アメリカの南部州では、綿花やトウモロコシ栽培などのプランテーション(大規模農園)で黒人奴隷らが労働を課せられていた。
ジョン・ブラウンは、黒人奴隷らを解放しようと暗躍し、最期は南部軍(政府軍)と戦い、命を落とした。流行歌『ジョン・ブラウンの亡骸』は彼の死後に歌われたもの。
このページでは、流行歌『ジョン・ブラウンの亡骸』(John Brown's Body)の代表的な歌詞について、その意味・和訳を掲載しておく。曲のルーツ・由来についても簡単にまとめている。
『ジョン・ブラウンの赤ちゃん』については、童謡『ごんべさんの赤ちゃん』のページでまとめて解説しているので別途参照されたい。
【YouTube】John Brown's Body
代表的な歌詞
John Brown's body lies
a-mouldering in the grave
His soul's marching on
ジョン・ブラウンの亡骸(なきがら)は
墓で朽ちていくが
彼の精神は行進しつづける
He's gone to be a soldier
in the army of the Lord
His soul's marching on.
彼は神の軍の兵士となった
彼の精神は行進しつづける
曲のルーツは?
『ジョン・ブラウンの亡骸』(John Brown's Body)のルーツは、18世紀アメリカの開拓時代にキャンプ・ミーティング(野外礼拝)で歌われたコーラスがルーツと考えられている。
開拓時代のアメリカでは、フロンティア(最前線)は未開の地であり、当然ながら教会や礼拝堂などの宗教的インフラは整備されておらず、移動教会とも言えるキャンプ・ミーティング(野外礼拝)が大きな役割を果たしていた。
キャンプ・ミーティングでは賛美歌や即興曲(アドリブの歌詞で歌う)などが歌われ、そこで歌われた楽曲をまとめた歌集が19世紀前半にアメリカで数多く出版された。
ちなみに、1856年頃に作曲された楽曲『Say, brothers, will you meet us』(セイ・ブラザーズ、ウィル・ユー・ミート・アス)がルーツの一つとして言及されることがあるが、この曲もキャンプ・ミーティングにおける楽曲に大きな影響を受けており、一から新たに作曲されたオリジナルの楽曲ではないようだ。
ジョン・ブラウンの墓
1859年12月2日、当時のヴァージニア州チャールズタウンで刑を執行された後、ジョンブラウンの遺体は、ニューヨーク州ノースエルバにあるジョン・ブラウンが所有していた農場に埋葬された。
今でもその農場には彼の墓が大事に管理されており、一般の人も見学することができる。
写真:ジョン・ブラウンの墓(出典:gale.com)
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