ごんべさんの赤ちゃん 歌詞の意味 遊び方

ヨドバシカメラの歌・CMソングのメロディで歌う替え歌

『ごんべさんの赤ちゃん』は、アメリカの俗謡『ジョン・ブラウンの赤ちゃん(John Brown's Baby)』を原曲とする日本の童謡・遊び歌。

ごんべさん(権兵衛さん)とは、名前の分からない人物を意味する仮の名前。『権兵衛が種まきゃ カラスがほじくる』のフレーズで有名。

ジョン・ブラウン(John Brown)は、19世紀アメリカ南北戦争に関連する英雄的な活動家(詳細は後述)。

『ごんべさんの赤ちゃん』の原曲である『ジョン・ブラウンの赤ちゃん』は、19世紀アメリカの流行歌『ジョン・ブラウンの亡骸(John Brown's Body)』の替え歌。

さらに『ジョン・ブラウンの亡骸』は、アメリカ愛国歌『リパブリック讃歌(The Battle Hymn of the Republic)』の原曲として有名。

これらのメロディは、日本の家電量販店ヨドバシカメラの歌・CMソングとして替え歌されている。

このページでは、『ごんべさんの赤ちゃん』の歌詞と、その原曲である『ジョン・ブラウンの赤ちゃん』の歌詞や振り付け(遊び方)などを掲載し、その意味と内容を簡単に比較してみたい。

【YouTube】 ごんべさんの赤ちゃん

歌詞『ごんべさんの赤ちゃん』

それではまず、日本の童謡『ごんべさんの赤ちゃん』の歌詞から見ていこう。ここでの「ごんべさん(権兵衛さん)」のイメージは、手拭いで頭を覆って顎で結ぶ「ほっかむり(頬被り)」のスタイル。

ごんべさんの赤ちゃんが カゼひいた

ごんべさんの赤ちゃんが カゼひいた

ごんべさんの赤ちゃんが カゼひいた

そこであわてて シップした

「シップ」とは、捻挫(ねんざ)や打撲、筋肉痛などの患部に直接貼り付ける「湿布」のこと。

子供が風邪を引いて咳が出ている場合、胸や背中に温湿布をすることがあるようだ。

振り付け・遊び方は?

『ごんべさんの赤ちゃん』は、定番の振り付けがある遊び歌としても親しまれている。一般的な振り付けは次のとおり。これを繰り返す毎にスピードを上げていく遊び方もある。

ごんべさんの

上述の「ほっかむり(頬被り)」をかぶってアゴの下で布を結ぶ動作

赤ちゃんが

赤ちゃんを胸の前で抱きながらあやす動作

カゼひいた

両手でマスクのように口元を覆う

そこであわてて

4回手拍子

シップした

右手で左胸をおさえ、その上から交差するように、左手で右胸をおさえる

原曲の歌詞『ジョン・ブラウンの赤ちゃん』

次に、原曲『ジョン・ブラウンの赤ちゃん(John Brown's Baby)』の歌詞について簡単に確認してみよう。アメリカではボーイスカウトなどのスカウトソングとして歌われていたようだ。

【YouTube】 John Brown's Baby

John Brown's baby
has a cold upon its chest

John Brown's baby
has a cold upon its chest

John Brown's baby
has a cold upon its chest

And they rubbed it
with camphorated oil.

<意味>

ジョンブラウンの赤ちゃんは
胸のカゼをひいたので
ショウノウ油を塗った

ショウノウ(樟脳)油とは、「楠(クスノキ)」から精製される「カンフル」という化学物質をテレビン油などに溶解させたもの。経済用語「カンフル剤」でお馴染み。

トクホンエースやメンソレータムなどの貼り薬や塗り薬などの外用薬に含まれている。下写真の「カコナール 貼るかぜパップ」にもカンフルが含まれている。

カコナール かぜパップ

写真:カコナール かぜパップ 6枚

カゼをひいたときに胸部に塗ると呼吸が楽になるヴェポラップにも含まれており、鼻づまりの改善にも使われる。

『ごんべさんの赤ちゃん』における「シップ」は、原曲の「ショウノウ油」を代替した歌詞になっているのが大変興味深い。

ジョン・ブラウンって誰?

最後に、ジョン・ブラウンについて簡単に説明しておきたい。下の写真は彼のポートレイト(肖像写真)。

ジョン・ブラウン(John Brown/1800-1859)

写真:ジョン・ブラウン(John Brown/1800-1859)

ジョン・ブラウン(John Brown/1800-1859)は、南北戦争直前の1850年代アメリカで活躍した活動家。時代的には、アメリカ民謡の父スティーブン・フォスターとほぼ同時期。

19世紀アメリカの南部州では、綿花やトウモロコシ栽培などのプランテーション(大規模農園)で黒人奴隷らが労働を課せられていた。

ジョン・ブラウンは、黒人奴隷らを解放しようと暗躍し、最期は南部軍(政府軍)と戦い、命を落とした。

彼の死後、北軍の兵士らの間で流行歌『ジョン・ブラウンの亡骸(John Brown's Body)』が歌われ、これに新たな歌詞をつけたのが、今日知られるアメリカ愛国歌『リパブリック讃歌(The Battle Hymn of the Republic)』となっている。

そしてこれらのメロディが、日本では家電量販店ヨドバシカメラの歌・CMソングとして替え歌され用いられていることは上述のとおり。

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曲のルーツ

ジョン・ブラウンの亡骸 歌詞の意味 John Brown's Body
『ごんべさんの赤ちゃん』原曲とされるアメリカ南北戦争時の流行歌
Say, brothers, will you meet us 歌詞の意味
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リパブリック讃歌 Battle Hymn of the Republic
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