もみの木(オー・クリスマスツリー)歌詞と和訳
ドイツ起源のクリスマスツリーは生命力の象徴エバーグリーン
『もみの木』の邦題で知られる『O Christmas Tree』(オークリスマスツリー)は、ドイツ語の原曲『O Tannenbaum(オー・タンネンバォム)』をルーツとするクリスマスキャロル。
古いドイツ民謡に基づいて19世紀前半に作曲された。英語版の歌詞はいくつか存在する。原曲を尊重してドイツ語で歌われる機会も多い。
日本語の訳詞も数多く存在するが、歌い出しが「もみの木 もみの木 いつも緑よ」のバージョン(訳詞:中山知子)が特に有名。詳細は後述する。
クリスマスツリーはドイツを起源とし、常緑樹(エバーグリーン)であるモミの木は、冬の間も緑を保つため、強い生命力の象徴とされてきた。
ちなみに、ツリーの一番上の星は「キリストの降誕」、赤い実は「禁断の実」、ベルは「羊飼いのベル」、クリスマスカラーの赤は「キリストの血」、緑は「常緑・生命力の象徴」を表すとされている。
【YouTube】もみの木(オー・クリスマスツリー)
英語版 歌詞の意味・日本語訳(意訳)
O Christmas tree, O Christmas tree!
How are thy leaves so verdant!
Not only in the summertime,
But even in winter is thy prime.
O Christmas tree, O Christmas tree,
How are thy leaves so verdant!
おお モミの木
汝の新緑の葉よ
夏のみならず
冬の中でも青々と茂る
おお モミの木
汝の新緑の葉よ
原曲のドイツ語 歌詞の意味・和訳
1.
O Tannenbaum, o Tannenbaum,
Wie treu sind deine Blätter!
Du grünst nicht nur zur Sommerzeit,
Nein auch im Winter wenn es schneit.
O Tannenbaum, o Tannenbaum,
Wie treu sind deine Blätter!
おお モミの木よ
汝の葉はなんと誠実か
夏場だけでなく
雪の降る冬でも青々としている
おお モミの木よ
汝の葉はなんと誠実か
2.
O Tannenbaum, o Tannenbaum,
Du kannst mir sehr gefallen!
Wie oft hat schon zur Winterszeit
Ein Baum von dir mich hoch erfreut!
O Tannenbaum, o Tannenbaum,
Du kannst mir sehr gefallen!
おお モミの木よ
実に汝を気に入った
これまで聖夜に幾度
木たる汝は私を喜ばせたことか!
おお モミの木よ
実に汝を気に入った
3.
O Tannenbaum, o Tannenbaum,
Dein Kleid will mich was lehren:
Die Hoffnung und Beständigkeit
Gibt Mut und Kraft zu jeder Zeit!
O Tannenbaum, o Tannenbaum,
Dein Kleid will mich was lehren!
おお モミの木よ
汝の衣は私に教えてくれる
希望と不変なるものが
慰めと力をいつでも与えてくれると
おお モミの木よ
汝の衣は私に教えてくれる
1番の歌詞は愛の歌
1番の歌詞は、ドイツの教育者ヨハン・アウグスト・ツァルナック(August Zarnack /1777-1827)が作詞した恋の歌が用いられている。
もみの木が一年中変わらず緑のままであることを、男女間の変わらぬ気持ち、すなわち「誠実さ」と重ね合わせて表現されている。
2番と3番の歌詞は、ドイツの教員・オルガニストのエルンスト・アンシュッツ( Ernst Anschütz/1780-1861)によって作詞されたもの。
日本語の歌詞(訳詞)
上述のとおり、『O Christmas Tree』の日本語歌詞(訳詞)は複数存在する。
ここでは、最も有名な訳詞の一つである中山知子版の歌詞を次のとおり引用し、その内容を簡単に確認してみたい。
1.
もみの木 もみの木
いつも緑よ
もみの木 もみの木
いつも緑よ輝く夏の日
雪降る冬の日もみの木 もみの木
いつも緑よ2.
もみの木 もみの木
こずえ静かに
もみの木 もみの木
こずえ静かに喜び悲しみ
やさしく見守るもみの木 もみの木
こずえ静かに3.
もみの木 もみの木
繁(しげ)れ豊かに
もみの木 もみの木
繁れ豊かに雨にもくじけず
風にも折られずもみの木 もみの木
繁れ豊かに
この訳詞では、一番の歌詞が原曲の内容に近い。それ以降は、比較的自由に訳詞をつけている印象がある。
日本語の歌詞(訳詞)その2
日本語の歌詞(訳詞)としては、中山知子版に次いで並木祐一版が比較的有名と思われる。
訳詞:並木祐一による日本語の歌詞(訳詞)を次のとおり引用し、その内容を確認してみたい。
樅(もみ)の木 樅の木
生(お)いや茂れる
木蔭(こかげ)をさまよい
語りし思い出
樅の木 樅の木
いなまお恋し乙女よ 乙女よ
汝(なれ)はいずこよ
木蔭をさまよい
誓いし幸(さち)の日
乙女よ 乙女よ
いずこに行(ゆ)きし
中山知子版と比べると、原曲の内容とは若干異なる内容の歌詞となっていることが分かる。この歌詞では、一見もみの木は主役のようだが、実は乙女が主人公の最大の関心事になっている。