お正月(もういくつねるとお正月)

お正月には凧あげて こまをまわして遊びましょう♪

「もういくつねるとお正月」が歌い出しの『お正月』は、瀧 廉太郎作曲による日本の唱歌

一番の歌詞では、「凧あげ」や「こま回し」といった男の子向けの正月遊びが、二番の歌詞では、「まりつき」や「羽根つき(おいばね)」といった女の子向けの正月遊びが歌われている。

小中学生の間では、「お正月には モチ食って のどに詰まって…」などと年始から身もふたもない替え歌が歌われているようだ。

お正月に関連するその他の歌・音楽は、こちら「お正月の歌・新年の曲・年末年始の音楽」でまとめている。

【YouTube】滝廉太郎『お正月』

歌詞

もういくつねるとお正月
お正月には 凧あげて
こまをまわして 遊びましょう
はやくこいこいお正月

もういくつねるとお正月
お正月には まりついて
おいばねついて 遊びましょう
はやくこいこいお正月

おいばね(羽根つき)

二番の歌詞の「おいばね(追い羽根)」とは、かつての正月遊び「羽根つき」のこと。二人が向かい合い、羽根を落とさないように羽子板で相手の方へ打ち上げて、一方が失敗するまで続けられる。

羽根つきをするウサギ

失敗の罰として、顔に墨(書初め用の墨汁)でバツを書かれることもあった。現代でも漫画やアニメなどで、羽根つきに何回も失敗して顔が墨で真っ黒になるシーンが描かれることがある。

羽子板の羽根とムクロジの意味

ちなみに、羽根の根元には、かつてはムクロジ科の落葉樹の黒い実が使われていた。わらべうた『いちじくにんじん』では、数字の「6(ろく)」を表す「むくろじゅ」として歌われている。

ムクロジは漢字で「無患子」と書く。これが「子が患(わずら)わ無い」と解釈できるため、女児への無病息災の願いを込めて、江戸時代には女児のいる家庭に縁起物の歳暮として羽子板が年の暮れに贈られていた。

シベリウス『交響曲第1番』第2楽章に似てる?

余談だが、瀧 廉太郎『お正月』のメロディは、フィンランドの作曲家シベリウスが1899年に作曲した『交響曲第1番 ホ短調』第2楽章の主題によく似ている。

『お正月』は『交響曲第1番』の翌年に作曲されているので、瀧 廉太郎はシベリウスから何らかの影響を受けていた可能性もなくはない。

ちなみに、瀧 廉太郎が作曲した『荒城の月』や『箱根八里』などの歌曲には、ドイツの作曲家メンデルスゾーンの影響が垣間見られる。

詳しくは、こちらの「瀧 廉太郎 有名な曲・代表曲」の解説をご参照願いたい。

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