いちじくにんじん

わらべうた・数え歌・遊び歌

『いちじくにんじん』は、手まり歌、羽子突き唄、おはじき歌などとして古くから親しまれてきた日本のわらべうた・数え歌。

1はイチジク、2はニンジン、3はサンショウ(山椒)、4はシイタケ(椎茸)といったように、数字の読みと語頭が一致する名前の食材や植物などが順番に歌い込まれていく(下写真は筑前煮)。

「さんしょにしいたけ」以降の歌詞については、地域によって異なる食材や植物が歌われることもあるようだ。まずは、代表的な『いちじくにんじん』の歌詞を見ていこう。

歌詞の一例

いちじく にんじん
さんしょに しいたけ
ごぼうに むくろじゅ
ななくさ はつたけ
きゅうりに とうがん

むくろじゅ(無患子) はつたけ(初茸)とは?

『いちじくにんじん』で歌われる食材や植物の中には、普段あまり聞きなれないものもいくつか登場する。

まずは「むくろじゅ(無患子)」。ムクロジ科の落葉樹で、果皮には多量のサポニンが含まれ、かつては石鹸として洗濯などに珍重されていた。

むくろじゅ(ムクロジ)の黒くて硬い種子は、羽子板の羽根の玉や数珠(じゅず)の材料としても使われていたという。

つぎに「はつたけ(初茸)」は、特に関東圏で親しまれていた食用キノコの一つで、他の地域では「あいずり」、「あおはち」、「あいたけ」などと呼ばれている。

初茸は炊き込みご飯にしたり、味噌焼き・しょうゆ焼き、吸い物や煮物など、幅広い料理法で食される。

『いちじくにんじん』他の歌詞は?

数え歌『いちじくにんじん』には、他のわらべうたと同様、歌われる地域によって歌詞に若干のバリエーションが存在する。

例えば、「しいたけ」を「シソ(紫蘇)」、「むくろじゅ」を「むかご」や「ろうそく」、「はつたけ」を「はくさい」や「はじかみ」、「きゅうり」を「くわい」などと置き換えて歌う地域もあるようだ。

むかご(右写真)とは、ヤマイモ(山芋)やジネンジョ(自然薯)などの小さな肉芽、はじかみとは、料理に添えられる赤と白の2色の生姜(しょうが)のこと。

数え歌なので、数字の読みとの関連性さえあれば、基本的にどんな食材を当てはめても自由に歌うことができる。こうした多様性こそわらべうたの醍醐味の一つだろう。

「いち にい サンマのしいたけ」との関係は?

『いちじくにんじん』以外の有名な数え歌として、「いち にい サンマのしっぽ」と歌う数え歌があるが、地域によっては「いち にい サンマのしいたけ」と歌われることもあるという。

「サンマのしいたけ」という意味不明なフレーズについては、おそらく、『いちじくにんじん』の歌詞である「さんしょに しいたけ」の影響を受けているのではないかと推察される。

数え歌『いちにサンマのしっぽ』は、このほかにもわらべうた『いろはにこんぺいとう』との融合バージョンも確認されており、子供たちの創造力豊かな遊び心が体現されているようで非常に興味深い。

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