一かけ二かけて

わらべうた・遊び歌

『一かけ二かけて』(いちかけ にかけて)は、お手玉歌や手毬歌、手合せ歌などとして親しまれている日本のわらべうた

歌詞は全国各地で様々なバリエーションがあるが、若い娘さんが西郷隆盛の墓参りに行く、という内容はほぼお決まりのようだ。

写真:上野恩賜公園の西郷隆盛像

『一番初めは一の宮』との関係は?

『一かけ二かけて』のメロディは、わらべうた『一番はじめは一の宮』と同じ旋律で歌われることが多いように思われる。

歌詞を比較しても、両曲とも「一、二、三・・・」と数字が用いられており、「かける」という内容も共通している。

『一かけ二かけて』と『一番はじめは一の宮』との関係性については、ネットで検索しても確かな情報は得られなかったが、おそらくこの2曲は決して無関係ではないように思われる。

なお、『一かけ二かけて』は『鉄道唱歌』のメロディで歌う地域もあるようだ。

歌詞の一例

一かけ 二かけて 三かけて
四かけて 五かけて 橋をかけ
橋の欄干 手を腰に
はるか彼方を 眺むれば
十七八の 姉さんが
花と線香を 手に持って
もしもし姉さん どこ行くの
私は九州 鹿児島の
西郷隆盛 娘です
明治十年の 戦役に
切腹なさった 父上の
お墓詣りに 参ります
お墓の前で 手を合わせ
南無阿弥陀仏と 拝みます
お墓の前には 魂が
ふうわりふわりと ジャンケンポン

【試聴】手合せ遊び実演『いちかけにかけて』

テレビドラマ「必殺仕事人」の口上

1980年頃にテレビ朝日系で放送された時代劇「必殺仕事人」では、『一かけ二かけて』の歌詞をもじった次のような必殺口上が用いられた。

よくみると、わらべうた『坊さん 坊さん』の歌詞にヒントを得たと思われるくだりも見受けられ、わらべうたパロディとしても興味深い口上となっている。

なお一番最後は、藤田まこと演じる「必殺仕事人」の主人公・中村 主水(なかむら もんど)のセリフ。

必殺口上

一かけ 二かけ 三かけて
仕掛けて 殺して 日が暮れて
橋の欄干腰下ろし 遥か向うを眺むれば
この世は辛い事ばかり
片手に線香 花を持ち
おっさん おっさん どこ行くの?
あたしは必殺仕事人 中村主水と申します
「それで今日は、どこのどいつを殺ってくれとおっしゃるんで?」

阿波踊りの掛け声・囃子ことば

徳島県発祥の盆踊り「阿波おどり」では、踊り手の集団が踊り歩く際に囃子ことばが歌い込まれる。

有名な例としては、「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、踊る阿呆(あほう)に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損々」がある。

この掛け声・囃子ことばについては、わらべうた『一かけ二かけて』から採られたと思われる次のようなフレーズが知られている。

一かけ 二かけ 三かけて
しかけた踊りはやめられぬ
五かけ 六かけ 七かけて
やっぱり踊りはやめられない

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