いちにさんまのしっぽ

わらべうた・数え歌

『いちにさんまのしっぽ』(いちにいさんまのしっぽ)は、「1,2,3,4…」と1から10まで数えるときに口ずさむ日本の数え歌・わらべうた

「いーち、にーい」と数え始め、「3」はさんま、「4」はしっぽ、といったように、数字の読みと先頭(語頭)が一致する単語を、その数字の代わりに当てはめて歌っていく。

歌詞の一例

いち にい さんまのしっぽ
ゴリラの息子(娘)
菜っ葉 葉っぱ 腐った豆腐

さんまのしいたけ? ゴリラのろっこつ?

他のわらべうたや数え歌にも共通して言えることだが、この『いちにさんまのしっぽ』も地域によって部分的に異なる歌詞が存在するようだ。

まずは「さんまのしっぽ」の部分。ネットで検索してみると、「さんまのしいたけ」、「さんまるしいたけ」などの歌詞が少なからず確認できた。

これはおそらく、他の数え歌『いちじく にんじん』の歌詞にある「さんしょ(山椒)にしいたけ(椎茸)」の影響を受けているものと推測される。「さんまる」は「さんまの」が訛ったものだろう。

「ゴリラの息子」の歌詞については、「ゴリラの娘」、「ゴリラのろっこつ(肋骨)」、「ゴリラのろうそく」、「ゴリラのロケット」、「ゴリラのロボット」、「ゴリラのラッパ」などのバリエーションが見られた。

数字の「6」の読みである「ろく」または「む」から始まる単語であれば、基本的にどんな言葉でも間違いということはないので、地域や時代によって様々なアレンジが存在する。これも数え歌の醍醐味の一つだろう。

腐った豆腐 豆腐は白い 白いはウサギ・・・?

『いちにさんまのしっぽ』は、1から10まで数える歌。当然のことながら、10まで数え終われば歌も終わるはず…。と思ったら、まだまだ続きを歌って楽しむ遊び方が存在するようだ。

「菜っ葉 葉っぱ 腐った豆腐」と歌い終わった直後に続けて、「豆腐は白い 白いはウサギ ウサギは跳ねる 跳ねるはカエル」と尻取りのように次々と単語をつなげて歌うことができる。

この「豆腐は白い」以降の歌詞は、わらべうた『いろはに金平糖(こんぺいとう)』から拝借したもの。最後には「電気は光る 光るはオヤジの禿げ頭!」で締めくくられる有名なあの歌だ。

こうなると、もはや最初の数え歌としての役割は完全に消え失せ、ただ歌うこと自体を楽しんでいる状況に陥っていることと思われるが、こうした子供らしい柔軟な発想力・想像力はいつまでも大切にしていきたいものだ。

関連ページ

いろはに金平糖(こんぺいとう)
『いちにさんまのしっぽ』とつなげて歌われる。電気は光る、光るはオヤジの禿げ頭!
いちじくにんじん
さんしょにしいたけ ごぼうにむくろじゅ♪
一番はじめは一の宮
二は日光東照宮 三は讃岐の金比羅さん 四は信濃の善光寺
有名なわらべうた
「あんたがたどこさ」、「はないちもんめ」、「おちゃらかほい」、「ずいずいずっころばし」など、日本の古いわらべうた