サイモン&ガーファンクルのアレンジ

スカボローフェアの謎 Scarborough Fair

冒頭でも少し触れましたが、サイモンとガーファンクルが20代の頃のアメリカはまさにベトナム戦争一色の時代で、おのずと彼らの作品の中には社会風刺的な意味合いをもったアレンジが多く含まれているのですが、このスカボローフェアについても例外ではなかったようです。

今まで見てきたように、このスカボローフェアのルーツは戦争とはまったく関係がない男女間のナンセンスな問答歌でしたが、ポールサイモンは、マーティン・カーシーから授かったこのスカボローフェアを、ベトナム戦争への反戦歌としての意味合いを持たせ、オリジナルと比べてより時代に合った印象的なものに創り上げたようです。

参考までに、ポールサイモンによる詠唱(赤い太字部分)の一部をご紹介することで、「ドナドナ研究室No.8 スカボローフェア」の締めくくりとしたいと思います。

Tell her to find me an acre of land

(On the side of a hill a sprinking of leaves)
丘に舞い散る落ち葉が

Parsley, sage, rosemary and thyme

(Washes the grave with silvery tears)
銀色の涙で墓石を洗い

Between the salt water and the sea strands

(A soldier cleans and polishes a gun)
一人の兵士が銃を磨く

Then she'll be a true love of mine

Tell her to reap it with a sickle of leather

(War bellows blazing in scarlet battalions)
戦いの吹子が深紅の大軍を焚き付け

Parsley, sage, rosemary and thyme

(Generals order their soldiers to kill)
将軍は兵士達に命じる、「殺せ」と

And gather it all in a bunch of heather

(And to fight for a cause they've long ago forgotten)
もはや忘れ去られた理由のために戦えと

Then she'll be a true love of mine

 

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スカボローフェアの謎 目次

  1. はじめに
  2. ブロードサイド・バラッドとは?
  3. チャイルド教授の功績
  4. 17世紀の妖精の騎士
  5. 4つのハーブの秘密
  6. マーティン・カーシー
  7. ポール・サイモンとの関係
  8. もう一つのスカボローフェア
  9. 反戦への詠唱

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