チンドン屋 定番の曲 まとめ
昭和レトロな宣伝請負ストリート・パフォーマー演奏曲
チンドン太鼓やクラリネット、サックスなどを演奏しながら、商店街を練り歩いて店舗などの宣伝を行う日本の伝統的な請負ストリート・パフォーマー「チンドン屋」の定番曲まとめ。
写真:チンドン乙女まつり 2014 浅草練り歩き(出典:YouTube)
実際にチンドン屋が演奏する曲は状況に応じて様々だが、YouTube動画でよく演奏されている曲や、『美しき天然』などの古典的な曲など、代表的な曲をピックアップしてまとめてみた。
美しき天然
チンドン屋の定番曲といえば、1902年(明治35年)に作曲された『美しき天然』(うるわしきてんねん)が代表的。歌詞のある唱歌だが、チンドン屋の演奏曲としてメロディの知名度が高い。
【YouTube】美しき天然
歌詞については、こちらのページ『美しき天然』(うるわしきてんねん)の解説を参照されたい。
竹に雀(たけす)
『竹に雀』(たけにすずめ)または『たけす/竹雀』もチンドン屋の定番曲として演奏機会が多い。もとは歌舞伎や寄席の舞台袖で演奏される下座音楽(げざおんがく)だったようだ。
【YouTube】竹に雀(たけす)
竹と雀の取り合わせは、「梅にウグイス」や「牡丹に唐獅子」などのように、絵になる良い組み合わせのたとえ。
また、竹と雀は家紋のデザインとしても定番であり、上杉氏・長尾氏・伊達氏などが「竹に雀紋」を家紋として用いていた(参照:『宇和島さんさ』)。
千鳥 ちどり
早いテンポで賑やかに演奏されることが多いチンドン屋の定番曲『千鳥(ちどり)』。
【YouTube】 千鳥 ちんどんジュンマキ堂
東京のチンドン屋「ちんどん月島宣伝社」Webサイトの解説によれば、『千鳥』は浪曲で水辺の場面で良く使われている曲で、チンドンとは違い、浪曲の『千鳥』はゆっくりとしたテンポで、船が川を進んでいくような風情があるという。
四丁目 しちょうめ
『四丁目(しちょうめ)』は、『竹に雀/たけす』と同じく下座音楽からチンドン屋の定番曲になった楽曲。
【YouTube】四丁目 しちょうめ
上述の「ちんどん月島宣伝社」による解説によれば、以前東京では、朝一番の曲は『竹に雀/たけす』、最後の曲は『四丁目』という決まりがあったそうだ。
民謡や歌謡曲も演奏
その他、チンドン屋が演奏する曲目は幅広く、『炭坑節』や『東京音頭』といった民謡から、『青い山脈』や『蒲田行進曲』などの昭和レトロな歌謡曲まで、様々なレパートリーが存在する。
写真:チンドン乙女まつり 2014 浅草練り歩き(出典:YouTube)
多くのチンドン屋が集まるイベントなどでは、NHK朝ドラマ「あまちゃん」オープニング曲などの比較的近年の曲も演奏されるなど、近年の流行曲なども柔軟に取り入れたケースなども見られた。
伝統的な演奏スタイルを受け継ぎながら、時代に合わせて柔軟なパフォーマンスを繰り広げるチンドン屋の益々の活躍を今後も期待したい。