蒲田行進曲 歌詞と解説 原曲がある?

ブロードウェイのオペレッタが日本の映画主題歌に

「虹の都 光の港 キネマの天地」の歌い出しで有名な『蒲田行進曲』。1929年の松竹映画『親父とその子』主題歌であり、1982年の映画『蒲田行進曲』オープニング曲として使われ人気の曲となった。京浜東北線・蒲田駅の発車メロディとしても有名。

【YouTube】松坂慶子 蒲田行進曲

【YouTube】 蒲田駅 発車メロディー

歌詞

作詞:堀内敬三

虹の都 光の港 キネマの天地
花の姿 春の匂い あふるる処
カメラの眼に映る 仮染めの恋にさえ
青春もゆる 生命はおどる キネマの天地

胸を去らぬ 想い出ゆかし キネマの世界
セットの花と 輝くスター微 笑む処
瞳の奥深く 焼付けた面影の
消えて結ぶ幻の国 キネマの世界

春の蒲田 花咲く蒲田 キネマの都
空に描く白日の夢 あふるる処
輝く緑さえ とこしえの憧れに
生くる蒲田 若き蒲田 キネマの都

原曲・元歌は?

『蒲田行進曲』の原曲・元歌は、1925年にニューヨークのブロードウェイで初演されたオペレッタ「放浪の王者 The Vagabond King」劇中歌の一つ『放浪者の歌 Song of the Vagabonds』(ソング・オブ・ザ・バガボンズ)。

「放浪の王者」は、アイルランドの著作家・政治家J.H.マッカーシーの小説「もし私が王ならば If I Were King」に基づくオペレッタで、15世紀フランス王室でのロマンスが描かれる。

作曲者は、チェコのプラハに生まれニューヨークで活躍したルドルフ・フリムル(Charles Rudolf Friml/1879-1972)。

『蒲田行進曲』として日本語の歌詞をつけたのは、作詞家・作曲家の堀内敬三(1897-1983)。堀内氏は『蒲田行進曲』以外にも海外の曲に訳詞や作詞を行っており、ドヴォルザーク『新世界より』の一曲に作詞した『遠き山に日は落ちて』は特に有名。

【YouTube】 放浪者の歌 SONG OF THE VAGABONDS

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