ロマンス ドヴォルザーク
自身の弦楽四重奏曲から旋律を引用したロマンス作品
『ロマンス ヘ短調』作品11は、19世紀に活躍したチェコの作曲家ドヴォルザークによる1879年の楽曲。ヴァイオリンと管弦楽のための単一楽章の作品。
自身が1873年に作曲した『弦楽四重奏曲第5番』の第2楽章が元になっており、ピアノ伴奏版やヴァイオリンとピアノへの編曲版などが出版されている。
ちなみに、ロマンス(ロマンツェ)とは、抒情的・甘美な旋律に表現の主眼が置かれた器楽曲のジャンル名の一つ。形式が自由で様々な規模の作品が存在する。
有名なロマンス作品としては、ベートーヴェン『ロマンス第2番ヘ長調』やモーツァルト『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』第2楽章、映画「アマデウス」で使われたモーツァルト『ピアノ協奏曲第20番』第2楽章などが知られている。
【YouTube】Dvorak - Romance for piano and violin, Op.11
原曲について
『弦楽四重奏曲第5番』作品9は、ドヴォルザークがブラームスに見いだされる前の無名な時代に作曲された作品。
4楽章から成り、第2楽章が『ロマンス ヘ短調』の原曲となった。
【YouTube】ドヴォルザーク『弦楽四重奏曲第5番』作品9
ベネヴィッツ四重奏団のために作曲されたが、作曲当時は完成度不足で演奏されることはなかったようだ。
ドイツの作曲家ギュンター・ラファエル(Günter Raphael)によって1929年に再構成され、他の楽団により翌年にプラハで初演された。
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