ホトトギスの鳴き声 聞きなし 意味・由来 まとめ

人間の言葉・日本語として解釈する有名な「聞きなし」まとめ

「テッペンカケタカ」や「トッキョキョカキョク(特許許可局)」など、ホトトギスの鳴き声に日本語を当てはめ、人間の言葉として意味のある言葉のように解釈する「聞きなし」について、その意味や由来、関連する民話・伝説などを簡単にまとめてみた。

ホトトギスの鳴き声をそのままカタカナ表記にすると「キョッ、キョ、キョキョキョ」や「キョッ、キョン、キョキョキョキョ」などと表現できるが、昔の人はこれに自由な発想で日本語としての意味や物語を考え出していったようだ。

ホトトギスの鳴き声 聞きなし 意味・由来 まとめ

なお、時鳥、郭公、不如帰など、ホトトギスを表す様々な別名・異名の意味や由来についてはこちらで一覧にまとめている

【YouTube】 ホトトギスの鳴き声

テッペンカケタカ

ホトトギスの鳴き声の聞きなしとして最も有名と思われるのが、この「テッペンカケタカ」。

漢字で書けば、「天辺駆けたか」「天辺翔たか」「天辺掛けたか」「天辺欠けたか」など様々な表記が考えられる。

どれが正解でどれが不正解ということはないので、想像を膨らませて自由に解釈すればよいだろう。

テッペンハゲタカ

「テッペンカケタカ」の亜種と思われる「テッペンハゲタカ」。筆者がネットで見かけて、思わずクスッと笑ってしまった。

この場合の「テッペン」とは、頭の一番上の部分、頭頂部を意味することになる。そして「ハゲタカ」は、もちろん鳥の名前ではなく、髪の毛の量が少なくなって頭部の地肌がむき出しになること、つまり「禿げたか」と解釈される。

これはおそらく、「テッペンカケタカ」の文字からヒントを得たダジャレではないかと推測される。実際に「テッペンハゲタカ」と聞きなしている人は多くはないだろう。

トッキョキョカキョク

「テッペンカケタカ」と並んで、ホトトギスの鳴き声の聞きなしとして定番の「トッキョキョカキョク」。

漢字で書けば「特許許可局」。早口言葉でも使われるフレーズだ。ホトトギスの「キョッ、キョ」という鳴き声が、「特許(とっきょ)」の聞きなしにつながるのは理解しやすい。

ホンゾンカケタカ

「ホンゾンカケタカ」の「ホンゾン」は「本尊」、つまり仏教の信仰対象物となる仏像や掛け軸のこと。この場合の「カケタカ」は、「掛けたか」または「欠けたか」なら意味が通じやすい。

「ホンゾンタテタカ(本尊立てたか)」「ホンドウタテタカ(本堂建てたか)」なども同類の聞きなし。

これと似た聞きなしに「ホゾンカケタカ」があるが、「ほぞん」を「保存」と解釈してしまうと、「保存かけたか」と意味が良く分からない言葉になってしまう。この「ほぞん」は「ほんぞん(本尊)」と同じ意味の古語。

ホウチョウカケタカ

「ホウチョウカケタカ」は「包丁欠けたか」。「ホッチョカケカタ」、「ホチョカケタ」、「ホッチョンカケタカ」とも。

ホトトギスの鳴き声「キョッキョ」が「ホッチョ」→「ホウチョ(包丁)」のようにつながって解釈されたようだ。

意味合いとしては、「包丁の刃がこぼれたか」という感じですんなり理解できる。ホトトギスの聞きなしとしては意味が分かりやすい部類に入るだろう。

ウブユカケタカ

「ウブユカケタカ」は「産湯かけたか」。産湯(うぶゆ)は、生まれたばかりの赤ちゃんを洗うためのお湯のこと。

「産湯をかける」という言葉自体は理解しやすいが、果たしてホトトギスの鳴き声が実際にそのように聞こえるのかについては不明だ。

アチャトテタ

あちらへ飛んでいったという意味の「アチャトテタ」。同様の聞きなしとして、「アッチャトッテッタ」、「アッチャトンデッタ」、「アチャトデタ」、「アチャトテタ、コチャトテタ」などがある。

オトットコイシ

「オトットコイシ」は「弟恋し」。日本全国に伝わる次のような民間伝承・民話と関連する。

食べ物を巡って疑心暗鬼になった兄は弟を殺めてしまう。それがとんでもない誤解だったことが分かり、兄は死後ホトトギスとなって、「オトットコイシ(弟恋し)」と鳴いて悔やんでいるという。

この民話に関連するホトトギスの聞きなしとしては、「オトットキタカ」、「オトットキッタカ(弟切ったか/斬ったか)」、「オトハラツキッチョ(弟腹突きっちょ)」、「オトハラキッタカ(弟腹切ったか)」、「オトットコロシ」、「オトトコソ」などがある。

「弟」ではなく「夫」と聞きなす「オットコイシ(夫恋し)」も伝わっている。

不如帰

ホトトギスの別名・異名として有名な「不如帰」は、漢字を音読みすれば「ふじょき」となるが、これは鳴き声の聞きなしが元になっているという。

由来は中国の伝説。ある国の王が死後ホトトギスとなり、やがてその国が他国に滅ぼされると、

「不如帰去(帰り去くに如かず)」
(帰る方が良い/帰りたい)

と嘆き、鳴きながら血を吐いた(血を吐くまで鳴いた)という。ホトトギスの口の中が赤いのはこの伝説に由来するとまで言われる。

「不如帰」の聞きなしは古代中国におけるものなので、現代の日本で「不如帰」を「ふじょき」と音読みしても、それはホトトギスの鳴き声として理解できないかもしれない。

筆者は中国語に疎いのでその発音は良く分からないが、中国語がある程度分かる方なら、「不如帰」の中国語的な発音とホトトギスの鳴き声を結びつけることが出来るのだろう。

語源も鳴き声?

最後に、ホトトギスという鳥の名前自体、その鳴き声が語源になっている可能性が考えられる。

古典文学や和歌などでは、ホトトギスの鳴き声を聞いた際、「ホトトギスが自分の名前を叫んでいる(名のりをあげている)」と表現されていることが多いからだ。

例えば、清少納言の随筆『枕草子』(まくらのそうし)では、夕暮れに鳴くホトトギスを次のように描写している。

夕暮れのほどに 郭公(ほととぎす)の名乗りて渡るも すべていみじき

<引用:清少納言『枕草子』第三十六段より>

さらにさかのぼれば、日本最古の和歌集『万葉集』で、次のように「ホトトギスの名のり」が詠まれている。

暁(あかとき)に 名能里(なのり)鳴くなる 霍公鳥(ほととぎす) いやめづらしく 思ほゆるかも

<引用:『万葉集』四〇八四>

卯の花の 共にし鳴けば 霍公鳥(ほととぎす) いやめづらしも 名能里(なのり)鳴くなへ

<引用:『万葉集』四〇九一>

ホトトギスが自分の名前を自ら鳴きながら飛んでいくという「ホトトギスの名のり」。上述の「オトットコイシ」も「ホトトギス」と発音が近く、「ホトトギス」という鳥の名前自体が、その鳴き声の聞きなしである可能性はかなり高そうだ。

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