桃太郎 ももたろう
お腰につけたキビダンゴ 一つわたしに下さいな♪
『桃太郎(ももたろう)』は、1911年(明治44年)に当時の音楽教科書「尋常小学唱歌 」第一学年用で発表された日本の童謡・唱歌(文部省唱歌)。
作曲は『故郷(ふるさと)』、『春が来た』、『春の小川』、『朧月夜(おぼろづきよ)』などで知られる岡野貞一(おかの・ていいち)。
【YouTube】唱歌『桃太郎』
歌詞
桃太郎さん 桃太郎さん
お腰につけたキビダンゴ
一つわたしに 下さいな
やりましょう やりましょう
これから鬼の征伐に
ついて行くなら やりましょう
行きましょう 行きましょう
あなたについて どこまでも
家来になって 行きましょう
そりゃ進め そりゃ進め
一度に攻めて攻めやぶり
つぶしてしまえ 鬼が島
おもしろい おもしろい
のこらず鬼を攻めふせて
分捕物(ぶんどりもの)を えんやらや
万万歳 万万歳
お伴の犬や猿キジは
勇んで車を えんやらや
おとぎ話「桃太郎」について
歌詞は、同名の日本のおとぎ話「桃太郎」の世界を描いている。同作は、桃から生まれた桃太郎が、お婆さんから黍団子(きびだんご)を貰って、イヌ、サル、キジを従えて、鬼ヶ島まで鬼を退治しに行く物語。
明治時代初期までのストーリーは、桃を食べて若返ったお爺さんとお婆さんの間に桃太郎が出来たという回春型の話の方が主流であった。
桃を食べて若返るというくだりには、道教やさまざまな神話が影響していると見られる。『山海経』や西王母伝説、或るいは日本神話のイザナギの逸話に見られるように、桃は邪気を祓い不老不死の力を与える霊力のある果実とされている。
また、山奥に住む仙人にも桃は欠かせない存在である。桃太郎を齎した桃は、こうした霊力のある桃が山から流れて来たものとも考えられる。
えんやらやとは?
童謡・唱歌『桃太郎』 の歌詞にある「えんやらや」とは、「えんや」や「えいや」と同じく、複数の人が力を合わせて重いものを運ぶ時に出す掛け声に由来する言葉。
歌では、宝が山のように積まれた重たい手押し車を、お供の犬・サル・キジが力を合わせて運んでいく様子を表している。
この「えんやらや」、「えんや」、「えいや」は語源的に同じルーツと考えられる。歌の中で使われている例としては、『斎太郎節(大漁唄い込み)』のエンヤードットや、『北海盆歌(ほっかいぼんうた)』のエンヤーコラヤなどが有名。
詳しくは、こちらのページ「エンヤー えんや 意味・語源・由来」を参照されたい。
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