アメリカ南北戦争勃発
~ジョン・ブラウンの魂は行軍する~

リパブリック讃歌の謎/19世紀アメリカの歴史

やがてサムター要塞砲撃を口火にアメリカ南北戦争が勃発すると、労働と苦悩と無知に繋がれ閉じ込められた南部の黒人奴隷達が本能的に戦争の性質を感じ取り、彼らの間に北軍への共感と解放への希望が急速に広まっていきました。

写真:アメリカ南北戦争 模擬線の様子(撮影:Steve Estvanik©123RF)

バトラー(Benjamin Franklin butler/1818-1893)の北軍部隊が1861年5月末、ヴァージニア海岸のモンロー要塞とその付近を占領し、彼の陣地へ逃走してきた黒人奴隷たちを保護したとき、2ヶ月で1,000人もの逃亡奴隷が自由を求めてバトラーのもとに集まってきたといいます。ジョン・ブラウンは、その1年前にそういう現象を予期してハーパース・フェリの事件を起こしていたのです。

リンカーンの招集に応じて集まった北軍兵士たちの間には、やがて誰が作ったともなく、「ジョン・ブラウンの亡骸は墓の下に朽ちても、彼の精神は行進する」という行軍歌が歌われていきます。

そして、その兵士達の「ジョン・ブラウンの歌」に感銘を受けたジュリア・ウォード・ハウ夫人は1862年、そのメロディーに「リパブリック讃歌(共和国闘歌 Battle hymn of the Republic)」という詩を捧げました。

ハウ夫人によって生まれ変わった「リパブリック讃歌」は、アメリカの統一そして奴隷解放に立ち上がる北軍兵士達の士気を鼓舞していったのでした。

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リパブリック讃歌 歴史編 目次

  1. はじめに
  2. 西方へ拡大するアメリカ領土
  3. ゴールドラッシュの影響
  4. 秘密組織 「地下鉄道」とは?
  5. アンクルトムの小屋の影響
  6. カリフォルニアの自由州編入
  7. カンサス・ネブラスカ法成立
  8. カンサスへの移住競争
  9. カンサスへ移住するジョンブラウン
  10. 南部支持派のブキャナン大統領
  11. ついに立ち上がるジョンブラウン
  12. 燃え上がるハーパース・フェリー
  13. アメリカ分裂~リンカーンの苦悩
  14. 彼の精神は行進する
  15. 達成できなかった真の解放
  16. 参考文献

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