ウィーンの森の物語 ヨハン・シュトラウス2世

オーストリアの民族楽器ツィターが用いられたウィンナワルツの名曲

『ウィーンの森の物語』は、オーストリアの首都ウィーンで活躍した作曲家ヨハン・シュトラウス2世による1868年作曲のウィンナワルツ。

美しく青きドナウ』と『皇帝円舞曲』とともに、ヨハン・シュトラウス2世の「三大ワルツ」として人気が高い名曲。

ウィーン市庁舎(シティホール)と公園

挿絵:ウィーン市庁舎(シティホール)と公園

序奏と終盤では、オーストリアや南ドイツ、スイスなどで演奏される民族楽器ツィター(チター)のソロパートが登場する。シュトラウス2世は、帝都ウィーンと周辺地域の融合を表現するためにツィターを使用したとされる。

ちなみに、オーストリアが舞台の映画「第三の男」では、テーマ曲にオーストリアの民族楽器ツィターが使用されていることで有名。

【YouTube】ウィーンの森の物語 ヨハン・シュトラウス2世

ツィターとは?民族楽器

『第三の男のテーマ』で用いられた「ツィター/チター(Zither)」は、オーストリア、スイス、ドイツ南部などで使用される民族楽器(弦楽器)。

約30本の伴奏用弦と、ギターと同じようなフレットが付いた5~6本の旋律用の弦が張られており、これを親指につけた爪「プレクトラム」で弾く。

アルパイン・ツィター Alpine zither

写真:アルパイン・ツィター(出典:Wikipedia)

ウィンナワルツとは?

ウィンナワルツ(Vienna Waltz)とは、19世紀のウィーンで流行した3拍子のワルツ。その3拍子は、3拍が均等な長さを持たず、2拍目をやや早めにずらすように演奏され、独特の流動感を生んでいる。

彼の父であるヨハン・シュトラウス1世は、ウィンナワルツの創始者の一人とされ、「ワルツの父」と呼ばれる。ヨハン・シュトラウス1世の作品としては『ラデツキー行進曲』が特に有名。

関連ページ

ヨハン・シュトラウス2世 有名な曲・代表曲
『美しく青きドナウ 』、『ウィーンの森の物語』など、「ウィーンのワルツ王」ヨハン・シュトラウス2世の有名な曲・代表曲まとめ。父や弟など家族による代表曲も。
第三の男のテーマ(ハリーライムのテーマ)
オーストリアが舞台の映画でオーストリアの民族楽器ツィターを使用
ウィーン、わが夢の街 歌詞の意味
ウィーンのために泣き そして笑うのだ!
ウィーンはいつもウィーン
オーストリアのヴァイオリン奏者ヨハン・シュランメルによる名曲
ウィーン奇想曲 クライスラー
オーストリア出身の音楽家フリッツ・クライスラーによるヴァイオリンとピアノのための小品。
オーストリアの有名な作曲家(クラシック音楽)
モーツァルト、シューベルト、ヨハン・シュトラウスなど、音楽の都ウィーンを擁するクラシック音楽大国オーストリアの有名な作曲家まとめ。