秩父音頭 歌詞と解説 埼玉県民謡

鳥も渡るか あの山越えて 雲のさわ立つ 奥秩父

『秩父音頭』(ちちぶおんど)は、埼玉県秩父市の民謡。古くから庶民の間で歌われてきた盆踊り唄。昭和初期には『秩父豊年踊り』と呼ばれていた。

ネットでは、群馬の『八木節』、栃木の『日光和楽踊り』と合せて「関東三大民謡」とする解説もみられる。

埼玉県下の小中学校で体育教材として採用されることがあり、体育の授業で踊ったり、運動会・体育祭などで披露した経験がある埼玉県出身の方も少なくないだろう。

秩父・長瀞渓谷と屋形船

写真:秩父・長瀞渓谷と屋形船

『秩父音頭』のルーツは新潟県の『越後甚句』(えちごじんく)とされ、三国峠(みくにとうげ)経由で秩父に伝わったという。当初は、田の神に豊作を祈願する「豊年踊り」で歌われていた。

歌詞は、『伊勢音頭』と同じく七七七五の甚句(じんく)形式で、最初の「七七」を繰り返して歌うのが特徴。コラショ、アレサなどの合いの手が入る。甚句の終わりに「唄囃子(うたばやし)」が唄われる(無い場合もあり)。

【YouTube】 秩父音頭 小沢千月

歌詞の繰り返しについて

上述のとおり、『秩父音頭』の歌詞は「七七七五」の甚句形式で、最初の「七七」を繰り返して歌う。

例えば、「鳥も渡るか あの山越えて 雲のさわ立つ 奥秩父」の甚句は、次のように部分的に繰り返して歌われる。

鳥も渡るか あの山越えて
鳥も渡るか あの山越えて
コラショ
雲のナァーエ 雲のさわ立つ
アレサ 奥秩父

繰り返しの直後に「コラショ」の合いの手が入る。

歌詞の一例

花の長瀞(ながとろ) あの岩畳(いわだたみ)
誰を待つやら 朧月(おぼろづき)

月が櫓の 真上に来れば
踊り澄む輪の 十重二十重(とえはたえ)

秋蚕(あきご)仕舞うて 麦蒔き終えて
秩父夜祭り 待つばかり

咲くは山吹 躑躅(つつじ)の花よ
秩父銘仙(めいせん) 機(はた)どころ

唄ばやしの一例

そうとも そうとも そうだんべ
あちゃむし だんべに 吊し柿ット

朝霧 けたてて よく来たね
いささか(ちょっくら)寄って
おあたりなット

おらが方じゃ こうだヨ
おかしけりゃ お笑いなット

関東三大民謡

八木節
またも出ました三角野郎が 四角四面の櫓の上で
日光和楽踊り
日光よいとこ お宮と滝の 中は和楽の精銅所

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