すいかの名産地

アメリカ民謡/ともだちができた すいかの名産地♪

『すいかの名産地』は、高田三九三(たかだ さくぞう/1906-2001)作詞による日本の童謡。1960年代後半に書籍等で発表された。

メロディは、アメリカ民謡(童謡)『ゆかいな牧場(マクドナルドじいさんの牧場)』の一部が使われている(イーアイ イーアイ オーの部分)。

歌詞の内容は、アメリカ民謡『ゆかいな牧場』とまったく関係がない。他の外国民謡を訳したものか、それとも高田三九三によるオリジナルの創作歌詞なのか、歌詞の原曲・元ネタについては明らかになっていない。

平成時代に放送されていたバラエティ番組「SMAP×SMAP(スマップスマップ)」では、中居正広、稲垣吾郎、香取慎吾がトリオで『すいかの名産地』を歌うシュールなコーナーがあり、同曲は大きな注目を集めた。

【YouTube】スマスマ『すいかの名産地』

歌詞の内容は?

まず、作詞:高田三九三による『すいかの名産地』歌詞を次のとおり引用し、その内容を簡単に確認してみよう。

ともだちができた すいかの名産地
なかよしこよし すいかの名産地
すいかの名産地 すてきなところよ
きれいなあの娘の晴れ姿 すいかの名産地

五月のある日 すいかの名産地
結婚式をあげよう すいかの名産地
すいかの名産地 すてきなところよ
きれいなあの娘の晴れ姿 すいかの名産地

とんもろこしの花婿 すいかの名産地
小麦の花嫁 すいかの名産地
すいかの名産地 すてきなところよ
きれいなあの娘の晴れ姿 すいかの名産地

曲名にもある「すいかの名産地」がこれでもかというほど連呼されているので、この歌は現実の果物「すいか」に着目した童謡なのかと思いきや、メインストーリーは「トウモロコシと小麦の結婚」という、童話のようなファンタジーな世界が広がっている。

この歌詞における「すいか」は、良い「すいか」が採れるような素敵な場所だという漠然とした舞台説明にすぎない。

実際にその名産地はどのような場所で、辺りにはどんな自然が広がり、どんな特徴があるのか、「すいか」はどのように親しまれているのかなど、一歩踏み込んだ詳細な描写は一切見られない。

つまりこの歌詞では、ストーリーの舞台が「すいかの名産地」であるという説明がほとんど意味を成していないように見える。

仮に、「すいかの名産地」というフレーズをすべてハミングに置き換えたとしても、「トウモロコシと小麦の結婚」というストーリーに一切影響は無いだろう。

まるで「すいかの名産地」というフレーズを後から取ってつけたような、違和感というか浮いた感じは否めない。

トウモロコシと小麦はアメリカの象徴?

『すいかの名産地』の歌詞に登場する「トウモロコシ」および「小麦」は、アメリカで大量に生産されている穀物の一つである。

ウィキペディアによれば、2017年におけるトウモロコシの生産量世界第1位はアメリカ。小麦はアメリカが世界第3位の生産量(2006年)を誇っている。

つまり、「トウモロコシ」および「小麦」といえばアメリカを象徴する穀物であり、いかにもアメリカ的なキーワードとして、意図的にこの二つの穀物を歌詞に用いている可能性が考えられる。

これに対して、すいかの生産量(2016年)は中国がダントツの世界1位で、アメリカとは100倍近い開きがある。「スイカといえばどこの国?」という質問に対して、最初に「アメリカ」と答える人はあまり多くはないだろう。

作詞者:高田三九三について

『すいかの名産地』を作詞した高田三九三(たかだ さくぞう/1906-2001)は、東京外国語学校(現・東京外語大学)仏文科卒業という経歴の作詞家で、海外の民謡やクラシック音楽の歌曲などの訳詞を数多く手がけている。

最も有名な訳詞としては、『メリーさんのひつじ』、『十人のインディアン』などのアメリカ民謡や、『ロンドン橋』などのイギリス民謡がある。

これら外国民謡の訳詞については原曲がはっきりしているが、『すいかの名産地』については、どの外国民謡を訳して作詞したのか、現在でも明らかになっていない。

日本のスイカ名産地ベスト5

日本でスイカの生産量(出荷量)が多い「スイカの名産地」ベスト5(2013年現在)は次のとおり。年度によってランキングは上下する。

第1位 熊本県

年間出荷量は5万トンを超え、日本全体の2割近くを占める。「スイカの名産地」熊本県植木町には、全国からスイカ栽培のプロフェッショナルが集まる。

第2位 千葉県

年間出荷量は4万トン弱。富里市(とみさとし)と八街市(やちまたし)が主な産地。毎年6月下旬に開催される市民マラソン「富里スイカロードレース大会」では、給水所ならぬ「給スイカ所」が名物で、ゴール後もスイカが食べ放題。

第3位 山形県

花笠音頭』で有名な尾花沢(おばなざわ)盆地が主な産地で、年間出荷量は3万トンを超える。夏の尾花沢は朝晩涼しく、糖度11%以上の美味しい尾花沢スイカが育つ。

第4位 鳥取県

収穫量は2万トンほど。西日本を代表するスイカの名産地。大栄町(現在は北栄町)の大栄スイカは、2009年よりドバイへ輸出された。現地王族に「ハチミツのようだ」と絶賛され、1玉3万円の値がついたという逸話も。

第5位 長野県

松本盆地で栽培されるスイカブランド「松本ハイランド」が有名。高原独特の澄んだ空気と、昼と夜の温度差の大きさが美味しいスイカを生み出す。

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