10人のインディアン Ten Little Indians

マザーグース・子供向けの英語の歌

『10人のインディアン Ten Little Indians』は、アメリカの作曲家セプティマス・ウィナーにより1868年に作詞・作曲されたミンストレル・ショー向けの曲。

当時のオリジナルのタイトルは「10 Little Injuns」。現代版とメロディや歌詞が異なるが、コーラス部分の歌詞はほとんど同じ。

セプティマス・ウィナー(Septimus Winner/1827-1902)は、19世紀アメリカの音楽界を代表する作曲家の一人。「アメリカ民謡の父」スティーブン・フォスターともほぼ同年代に活躍した音楽家。

ミンストレル・ショー(Minstrel show)とは、当時のアメリカで盛んに上映されていた歌と踊りと音楽の舞台劇。顔を黒く塗った白人が滑稽に振舞う黒人を演じるのが特徴。

【YouTube】10人のインディアン 原曲『10 Little Injuns』1868年

原曲の歌詞と意味・和訳(意訳)

『Ten Little Indians』

作詞・作曲:セプティマス・ウィナー(Septimus Winner)

Ten little Indians standin' in a line
One toddled home and then there were nine.
Nine little Indians swingin' on a gate
One tumbled off and then there were eight.

10人のインディアンの子
一列に並んでた
一人家に帰って
9人になった

9人のインディアンの子が
門にぶら下がってた
一人落っこちて
8人になった

[Chorus]
One little, two little, three little
four little, five little Indians boys.
Six little, seven little, eight little
nine little, ten little Indians boys.

【コーラス】
1人、2人、3人
4人、5人のインディアンの子
6人、7人、8人
9人、10人のインディアンの子

<以下、コーラス部分は省略>

Eight little Indians gayest under heav'n
One went to sleep and then there were seven.
Seven little Indians cuttin' up their tricks
One broke his neck and then there were six.

8人のインディアンの子が
楽しそうにしていた
一人眠って
7人になった

7人のインディアンの子が
いたずらしてた
一人が首の骨を折って
6人になった

Six little Indians all alive
One kicked the bucket and then there were five.
Five little Indians on a cellar door
One tumbled in and then there were four.

6人のインディアンの子は
みんな元気だった
一人がくたばって
5人になった

5人のインディアンの子が
地下室への入り口にいた
一人転げ落ちて
4人になった

Four little Indians up on a spree
One got fuddled and then there were three.
Three little Indians out on a canoe
One tumbled overboard and then there were two.

4人のインディアンの子が
酔って騒いでいた
一人が酔いつぶれて
3人になった

3人のインディアンの子が
カヌーに乗った
一人が水に落ちて
2人になった

Two little Indians foolin' with a gun
One shot t'other and then there was one.
One little Indians livin' all alone
He got married and then there were none

2人のインディアンの子が
銃にいたずらしてた
一人が撃たれて
1人になった

1人のインディアンの子は
寂しくなった
彼は結婚した
そして誰もいなくなった

現代の歌詞と意味・和訳(意訳)

【YouTube】10人のインディアン 現代版

One little, two little, three little Indians
Four little, five little, six little Indians
Seven little, eight little, nine little Indians
Ten little Indian boys.

一人 二人 三人のインディアン
四人 五人 六人のインディアン
七人 八人 九人のインディアン
十人のインディアンボーイズ

Ten little, nine little, eight little Indians
Seven little, six little, five little Indians
Four little, three little, two little Indians
One little Indian boy.

十人 九人 八人のインディアン
七人 六人 五人のインディアン
四人 三人 二人のインディア
一人のインディアンボーイ

アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」

1939年には、『10人のインディアン Ten Little Indians』からインスピレーションを受けたアガサ・クリスティの推理小説『そして誰もいなくなった(And Then There Were None)』が出版されている。

アガサ・クリスティ(Dame Agatha Christie/1890-1976)は、『アクロイド殺し』、『ABC殺人事件』、『オリエント急行の殺人』など、数多くのミステリー作品を世に送り出し、「ミステリーの女王」と称される。「史上最高のベストセラー作家」としてギネスブックにも認定されている。

「そして誰もいなくなった」前半あらすじ

イギリス、デヴォン州のインディアン島に、年齢も職業も異なる10人の男女が招かれた。しかし、招待状の差出人でこの島の主でもあるU.N.オーエンは、姿を現さないままだった。

やがてその招待状は虚偽のものであることがわかったが、10人は島から出ることができなくなり、完全な孤立状態となってしまう。

晩餐の最中、彼らの過去の罪を告発する謎の声が響き渡る。その声は蓄音機からのものだった。そこから一人一人が謎の死を遂げていく。広間に置かれた10体のインディアン人形も、いつの間にか一つ一つ数が減っていった。それはあたかも、童謡『10人のインディアン』のストーリーをなぞっていくかのように…。

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