穂高よさらば 歌詞の意味 古関裕而

古関裕而の楽曲を登山家らが替え歌した自然あふれる山の歌

『穂高よさらば』は、長野県・岐阜県にまたがる穂高岳(ほたかだけ)の自然を歌った山の歌。 戦後に登山者らの間で自然発生的に歌われ始めた。

メロディは、夏の高校野球テーマ曲『栄冠は君に輝く』で知られる古関裕而(こせき ゆうじ)が1944年に作曲した『雷撃隊出動の歌』が原曲。

穂高連峰と河童橋 秋の上高地

写真:穂高連峰と河童橋 秋の上高地(出典:Wikipedia)

作詞は登山家の芳野満彦。彼が作詞したのは1番の歌詞のみで、それに続く部分は登山者らによって様々な歌詞が付け加えられていった。様々な替え歌が存在する。

『穂高よさらば』の歌詞では、ジャンダルム、槍ヶ岳、涸沢(からさわ)、
屏風岩(びょうぶいわ)、河童橋(かっぱばし)など、穂高岳に関連する様々な地名・地形などが登場する。

【YouTube】 穂高よさらば 芹 洋子

【YouTube】 原曲 古関裕而 雷撃隊出動の歌 歌詞つき

歌詞

穂高岳

<写真:穂高岳/出典:Wikipedia>

穂高(ほだか)よさらば また来る日まで
奥穂(おくほ)に浮かぶ 茜雲(あかねぐも)
返り見すれば 遠ざかる
瞼(まぶた)に浮かぶ ジャンダルム

穂高よさらば また来る日まで
北穂に続く 雪の肌
返り見すれば 遠ざかる
瞼に浮かぶ 槍ヶ岳(やりがたけ)

穂高よさらば また来る日まで
涸沢(からさわ)あとに 徳沢(とくさわ)へ
返り見すれば 遠ざかる
瞼に浮かぶ 屏風岩(びょうぶいわ)

別バージョンの歌詞

ジャンダルム 奥穂高岳山頂から

<写真:ジャンダルム/出典:Wikipedia>

穂高よさらば また来る日まで
奥穂に映ゆる あかね雲
返り見すれば 遠ざかる
まぶたに残る ジャンダルム

滝谷さらば また来る日まで
北穂へ続く 雪の道
返り見すれば 遠ざかる
まぶたに残る 槍ヶ岳

涸沢さらば また来る日まで
横尾へ続く 雪の道
返り見すれば 遠ざかる
まぶたに残る 屏風岩

岳沢(だけさわ)さらば また来る日まで
前穂をあとに 河童橋(かっぱばし)
返り見すれば 遠ざかる
まぶたに残る 畳岩

ジャンダルム

ジャンダルム(Gendarme)は、奥穂高岳の西南西にある岩稜。この名前は、スイスを代表する山アイガー(Eiger)にある垂直の絶壁(高さ約200 m)の通称に由来している。

フランス語で「国家憲兵」を意味しており、あたかも奥穂高岳の前衛を守る憲兵のような意味合いで名付けられたようだ。

奥穂高岳山頂から望むジャンダルム

写真:奥穂高岳山頂から望むジャンダルム(出典:Wikipedia)

ジャンダルムへの登頂も可能だが、登下降にクライミングロープが必要な絶壁の岩壁となっている。

涸沢(からさわ)

涸沢(からさわ)は、穂高岳山荘がある「白出のコル」と北穂高岳の間にある峰。9月後半頃には、涸沢小屋周辺のナナカマドなどが真っ赤に紅葉する。秋の紅葉シーズンには多くの登山者が訪れる観光スポット。

紅葉が美しい秋の涸沢岳

写真:紅葉が美しい秋の涸沢岳(出典:Wikipedia)

屏風岩(びょうぶいわ)

屏風岩(びょうぶいわ)とは、奥穂高岳と吊り尾根でつながる前穂高岳(まえほたかだけ)の岩壁。

屏風岩 東壁

写真:屏風岩東壁(出典:ブログ「山の彼方に」)

河童橋(かっぱばし)

河童橋(かっぱばし)は、長野県松本市安曇上高地の梓川(あずさがわ)に架かる木製の吊橋。長さ36.6mのカラマツ製で、この橋から穂高岳、焼岳などの山々を望むことができる。上高地(かみこうち)を象徴するのシンボルの一つ。

河童橋と梓川

写真:河童橋と梓川(出典:Wikipedia)

山のうた

雪山賛歌(ゆきやまさんか)
雪よ岩よ われ等が宿り 俺たちゃ街には住めないからに
岳人の歌(アルプスの恋唄)
アニメ『ヤマノススメ』第2期・第3期で使われた劇中歌
山男の歌 やまおとこのうた
娘さん よく聞けよ 山男にゃ惚れるなよ♪
山小舎の灯 やまごやのともしび
たそがれの灯は ほのかに点りて 懐かしき山小舎は ふもとの小径よ
山のうた 山に関する民謡・童謡・音楽
山や丘が歌詞に登場する日本の歌・世界の歌まとめ

古関裕而の有名な曲

栄冠は君に輝く
福島三羽烏の古関・伊藤コンビで発表された夏の甲子園大会歌
高原列車は行く
モデルは作詞者の故郷・福島県の鉱山鉄道
別れのワルツ なぜ閉店BGMに?
閉店時・閉館時の定番BGM『蛍の光』は、実は古関裕而が三拍子にアレンジした『別れのワルツ』だった。