ジェンカ(レットキス)原曲 歌詞の意味・和訳

1960年代前半に世界で流行したフィンランド発のダンス音楽

『ジェンカ』(Jenkka)は、1960年代に欧米を中心に世界的に流行したフィンランド発のダンス音楽。ダンスはアメリカのバニーホップ(Bunny hop)が転用された。

中でも、フィンランドのラウノ・レティネン(Rauno Lehtinen)が作曲し1963年に発表されたジェンカ『レットキス(Letkis)』は世界的に流行した。

『レットキス(Letkis)』は、フィンランド語では『レトカイェンッカ(Letkajenkka)』とも呼ばれ、「列になって踊ろう」の意味がある。

このページでは、『レットキス(Letkis)』原曲のフィンランド語の歌詞と、その意味・和訳(意訳)、そして坂本九らが日本語カバーした楽曲の日本語歌詞の内容を簡単にまとめてみた。

坂本九『レットキス』EPレコード

ジャケット写真:坂本九『レットキス』EPレコード

【YouTube】フィンランド語の原曲『レットキス(Letkis)』

原曲(フィンランド語)歌詞の意味・和訳(意訳)

『Letkis(Letkajenkka)』

作詞・作曲:ラウノ・レティネン(Rauno Lehtinen)

Letkis täällä tunnetaan
Letkis meillä osataan
Letkis suomalaisien
On saanut aikaan villityksen hirmuisen

レットキスは とても有名
レットキスは みんな踊れる
レットキスは フィンランドで生まれた
とても人気があるの

Letkis maailmalla on
Letkis tanssi nuorison
Tietää mannermaa nyt saa
Kuinka jenkka suomalainen valloittaa

レットキスは 世界中に広まってる
レットキスは 若者のダンス
そして今 世界は知るでしょう
フィンランドのジェンカの魅力を

Ken letkassa kestä ei
Sen varmaan pikku-hukka vei
Jenkkaamme letkaamaan
Ei heikkopäät saa tullakaan

列を保てない人は
悪いオオカミに食べられちゃうかも
もっとうまくならなきゃね
私たちの列で踊りたいのなら

Letkis tanssi nuorison
Letkis maailmalla on
Lentää valtamerten taa
siellä letkis on se joka valloittaa

レットキスは 若者のダンス
レットキスは 世界中に広まってる
空を飛び 海を超えて
レットキスがみんなを虜にするの

Joka mies, joka mies
nämä askeleet kai ties
Poikien, tyttöjen
jono on jo kilometrinen

みんな みんな
ステップの踏み方を知ってるわ
男の子たちや 女の子たちが
1キロになるまで列が増えてく

Jokinen, Mäkinen
joka toinen Nieminen
Virtanen, Lahtinen
sekä konstaapeli Koivunen

ヨキネンも マキネンも
二番目のニエミネンも
ヴィルタネンも ラフティネンも
そして巡査のコイヴネンも

Letkis täällä tunnetaan
letkis meillä osataan
Letkis suomalaisien
on saanut aikaan villityksen hirmuisen

レットキスはとても有名
レットキスはみんな踊れる
レットキスはフィンランドで生まれた
とても人気があるの

Letkis maailmalla on
letkis tanssi nuorison
Tietää mannermaa nyt saa
kuinka jenkka suomalainen valloittaa

レットキスは 世界中に広まった
レットキスは 若者のダンス
そして今 世界は知るでしょう
フィンランドのジェンカの魅力を

Ken letkassa kestä ei
sen varmaan pikku-hukka vei
Jenkkaamme letkaamaan
ei heikkopäät saa tullakaan

列を保てない人は
悪いオオカミに食べられちゃうかも
もっとうまくならなきゃね
私たちの列で踊りたいのなら

Letkis tanssi nuorison
letkis maailmalla on
Lentää valtamerten taa
siellä letkis on se joka valloittaa

レットキスは 若者のダンス
レットキスは 世界中に広まってる
空を飛び 海を超えて
レットキスがみんなを虜にするの

坂本九による日本語カバー

1966年には、作詞:永六輔(えい ろくすけ)により日本語歌詞がつけられ、坂本九(さかもと きゅう)の歌で『レット・キス』(ジェンカ)としてカバーされた。

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【YouTube】坂本九『レット・キス』

原曲と比べて、日本語の歌詞はどのような内容なのだろうか?永六輔作詞による『レット・キス 』の歌詞を次のとおり引用し、簡単に確認してみよう。

レッツキッス 頬よせて
レッツキッス 目を閉じて
レッツキッス 小鳥のように
くちびるを 重ねよう

レッツキッス てれないで
レッツキッス つつましく
レッツキッス はじめてふれる
君のくちびる

ララララ ラララ
はじめてキスをする
ララララ ラララ
踊ろよ これがジェンカ

レッツキッス 若者よ
レッツキッス 恋人よ
レッツキッス 愛するしるしだ
くちづけに乾杯

フィンランド語の原曲『レットキス(Letkis)』には、唇を重ねる「キス(kiss)」の意味はないが、永六輔作詞による日本語歌詞では、文字通り「くちづけ」の意味があてはめられて、曲全体でキスの歌に改変されている。

しかも、フィンランド語の「レット」が、英語の「Let's(レッツ)」に差し替えられて、英語の「Let's kiss」(キスしよう)の意味で「レッツキッス」と歌われているのが興味深い。

橋幸夫『ジェンカ』

2008年には、亜蘭知子(あらん ともこ)の作詞により、橋幸夫が『ジェンカ』として日本語カバーした。

同曲は、映画「クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜」劇中歌や、テレビ番組「嗚呼!!みんなのどうぶつ園」エンディングテーマなどで使用された。

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【YouTube】橋幸夫『ジェンカ』

橋幸夫『ジェンカ』の日本語歌詞を次のとおり引用し、その内容をフィンランド語の原曲と比較してみよう。

Hop Step キックして
Hop Step ジャンプして
Hop Step 青空に
はずむ靴音 響かせよう

Hop Step いつだって
Hop Step どこだって
Hop Step ニコニコになれる
ワクワクするリズム

ラ ラーンラーラ ランランラン
人生はたのしい
ラーンラーラ ランランラン
踊ろうよ さぁ ジェンカ

Hop Step つながって
Hop Step ジャンプして
Hop Step 世界じゅう
ほほえみの輪を広げよう

Hop Step 泣かないで
Hop Step しょげないで
Hop Step 雨上がり
虹の橋 渡って行こう

Hop Step 喜びも
Hop Step 悲しみも
Hop Step 分け合える
仲間がいる その幸せ

ラ ラーンラーラ ランランラン
明日はまためぐる
ラーンラーラ ランランラン
踊ろうよ さぁ ジェンカ

Hop Step つながって
Hop Step ジャンプして
Hop Step 青空に
はずむ靴音 響かせよう

この日本語歌詞では、「たのしい」「ニコニコ」「ランラン」など、ダンスの陽気な雰囲気が全面に押し出されている明るい内容。「人生」にまで言及され、ちょっとした奥深さも感じられる。

途中で「虹の橋 渡って行こう」とあるが、「虹の橋」はペット(飼い猫や飼い犬)が亡くなったときにもよく使われる表現なので、できれば避けた方が良かったかもしれない。

作詞の亜蘭知子(あらん ともこ/1958-)は、夏を象徴する日本のバンド、TUBE(チューブ)の楽曲で多数作詞を行っている。代表曲は、『シーズン・イン・ザ・サン』、『SUMMER DREAM』(サマードリーム)、『BEACH TIME』(ビーチ・タイム)など。

ジェンガとの関係は?

高く積み上げられたパーツを倒れないように抜き取って遊ぶ「ジェンガ(Jenga)」というパーティーゲームがあるが、フォークダンスの「ジェンカ」と名前が似ているので、何か関係があるのか、ふと考えた人もいるかもしれない。

ジェンガ クラシック 天然木材使用

写真:ジェンガ クラシック 天然木材使用

調べてみると、こちらの「ジェンガ」は、アフリカのスワヒリ語で「組み立てる」という意味の「クジェンガ」に由来しており、フィンランドの「ジェンカ」とはまったく関係がないそうだ。

そもそも「ジェンカ」の発音もフィンランド語では「イェンッカ」に近い。

フォークダンスの代表曲

オクラホマミキサー(藁の中の七面鳥)
フォークダンスの定番曲「オクラホマ・ミキサー」としても有名
コロブチカ(ロシア民謡)
ロシア歌曲・フォークダンス/テトリスBGMとしても有名に
マイムマイム(イスラエル民謡)
イスラエル民謡/水だ!水だ! 歓喜に叫ぶユダヤの民
バニーホップ Bunny hop アメリカのダンス
「ジェンカ(レットキス)」にも使われた1950年代アメリカ発祥のダンス
フォークダンス・民族舞踊 有名な曲
『マイムマイム』、『オクラホマ・ミキサー』、『ジェンカ』など、日本でも有名な世界のフォークダンス・民族舞踏まとめ

坂本九 有名な曲・代表曲

上を向いて歩こう
涙がこぼれないように 泣きながら歩く 一人ぼっちの夜
幸せなら手をたたこう
東京オリンピックの年に坂本九が歌った名曲
明日があるさ
明日があるさ 明日がある 若い僕には 夢がある
坂本九 さかもときゅう 有名な曲・代表曲
『上を向いて歩こう』や『見上げてごらん夜の星を』など、60年代からヒット曲を連発し、「九ちゃん」の愛称で親しまれた坂本 九の有名な曲・代表曲まとめ。

永六輔が作詞した楽曲

見上げてごらん夜の星を
小さな星の 小さな光が ささやかな幸せを うたってる
いい湯だな ドリフターズ
群馬県の温泉ソングがドリフで全国版に
遠くへ行きたい テーマ曲・主題歌
ラジオ番組「永六輔の誰かとどこかで」テーマ曲