美しく青きドナウ
ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauß II/1825-1899)
『美しく青きドナウ』は、ヨハン・シュトラウス2世によって1867年に作曲されたワルツ。
ワルツを数多く作曲し、「ウィーンのワルツ王」と称賛されるシュトラウス2世のワルツ作品の中でも特に人気・知名度が高い。
写真:ドナウ川とレーゲンスブルク大聖堂(ドイツ世界遺産)
作者自身の評価はさほど高くはなかったようだが、1867年のパリ万博などで再評価され、「オーストリア第二の国歌」、「シュトラウスの最高傑作」と讃えられた。
ヨーロッパを東西に流れる大河・ドナウ川の流れが優雅なワルツに乗せて描かれ、冒頭では、ドナウ川の源流「ドナウの泉」やシュヴァルツ・ヴァルト(黒い森)が描写される。
ちなみに、ヨーロッパの河川を表現した有名なクラシック音楽としては、ボヘミアを南から北に流れるモルダウ(ヴルタヴァ)川を描いたスメタナ作曲『モルダウ』も有名。
【YouTube】美しく青きドナウ
オリジナルは男声向け合唱曲
元々は『美しく青きドナウ』は男声コーラス向けに作曲された歌曲だったが、当時の歌詞はあまり評判が良くなく、後に管弦楽曲として編曲され、人気が出るようになった。
現在でも、ウィーン少年合唱団によるレパートリーの一つとして演奏・合唱される。
ニューイヤーコンサートの定番アンコール曲
同曲は、 毎年1月1日に行われるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートにおけるアンコール曲としても有名。
このアンコールでは、『美しく青きドナウ』の序奏部が少し演奏され、すぐに拍手によって一旦打ち切られる。そしてその後に指揮者や団員が新年の挨拶を行う「お約束」となっている。
ワルツ王ヨハン・シュトラウス2世とは?
ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauß II/1825-1899)は、19世紀におけるオーストリアのウィーンで活躍した作曲家・ヴァイオリニスト。
生涯の多くをウィンナワルツの作曲に捧げ、「ワルツ王」と評される。毎年、元日に行われる「ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート」では、彼やシュトラウス・ファミリーの作品を中心として演奏される。
代表曲としては、『春の声』、『こうもり序曲』、『ウィーンの森の物語』、『トリッチ・トラッチ・ポルカ』などが特に有名。
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