ビスタ(フリー・フライ・フロー)
Flea(Flee), Fly, Flo(Flow)

キャンプソング・スカウトソング

「♪クンムラッタ クンムラッタ♪」と意味不明な歌詞がユニークなキャンプソング『ビスタ(ヴィスタ)』。1960年代のアメリカにおいて、学校やボーイスカウト、ガールスカウトなどの野外活動を通じて爆発的に広まったレクリエーションソングだ。

歌のジャンルとしては、アメリカ民謡『森のくまさん』と同じく、一人のリーダーが先に歌って、残りの大勢が後に続く「エコーソング」または「リピート・アフター・ミー・ソング」の一種と言える。

アメリカでは、歌詞の一部から「Coma La Vista」、「Cumala vista」、「Flea, Fly, Flo(フリー・フライ・フロー)」、「Flee, Fly, Flow」、「Mama Lama」などの曲名が見られる。口承により広まったキャンプソングなので確定的なタイトル表記はないようだ。

歌詞についても様々なバリエーションがあり、元々その大部分は意味不明なナンセンス・ソングだが、近年ではノミ(英語でFlea)や蚊を殺虫スプレーで追い払うという子供に分かりやすいストーリーがつけられることもあるようだ。

ちなみに、「フリー・フライ・フロー」と似た発音の有名なフレーズとして、イギリス童話「ジャックと豆の木」で巨人が口ずさむ「フィー・ファイ・フォー・ファン Fee Fi Fo Fum」がある。比較してみると面白いかもしれない。

【試聴】 Coma-La-Vista / Janice & the Little People (1964)

ビスタ 歌詞の一例

Flea
Flea fly
Flea fly flo
vista

Cumala, cumala, cumala vista
Oh no no no no da vista
Eeney meaney decimeaney ooh wala wala meaney
ex a meaney sal a meaney ooh wala wa
Beat biddley oten doten bobo da beeten doten Shhhhht.

アメリカ国内における認知度バツグンのこのキャンプソングだが、そのナンセンスな歌詞の意味も含めて、だれがいつどのような経緯で作詞・作曲したのか、どのようなきっかけでアメリカ中に広まっていったのかについては明らかになっていない。

ただ、時期的にはアメリカ国内で1960年代前半頃から同曲をカバーしたレコードがいくつかリリースされており、この時期のアメリカでボーイスカウトやガールスカウトの野外活動において同曲が大流行したのではないかと思われる。

同曲の比較的有名なカバー盤については、こちらのサイト「フリー・フライ・フロー・ビスタ!! Flee, Fly, Flo, Vista!!」で動画がまとまっているのて適宜参照されたい。

日本ではテレビ番組で拡散

お笑いコンビ「ハリセンボン」の近藤春菜は、学生の頃ガールスカウトに所属していた時期があったようで、当時覚えた『ビスタ』をネタ的にテレビ番組で披露したところ、意味不明な歌詞と無表情の振付のシュールさが話題となり、2016年頃を中心に日本でも若者を中心に同曲が広く知られることとなった。

【近藤春菜版『ビスタ』の歌詞】

フリー
フリーフライ
フリーフライフロー

クンムラッタ クンムラッタ クンムラッタ ビスタ
クンムラッタ クンムラッタ クンムラッタ ビスタ

オーノノーノノース ビスタ
オーノノーノノース ビスタ

イグザミニ ゾラミニ ウワーラ ワラミニ
イグザミニ ゾラミニ ウワーラ ワラミニ

ビッビカ オンドレ ビビッカ オンドレ シー

原曲のアメリカ版でもかなり意味不明だが、それを日本語のカタカナで発音することにより、いよいよ曲全体が呪文や儀式のような謎の面白ソングに。

振付についても、アメリカ版では野外活動で指導者と子供たちが笑顔で楽しく体を動かすレクリエーションソングだが、近藤春菜のネタでは無表情で「ふしぎなおどり」が披露されたため、奇妙さが前面に出たコミックソングとして受け入れられてしまったようだ。

歌詞が意味不明なカタカナソングといえば、『アチャパチャノチャ』や『サラスポンダ』、『イエヴァン・ポルッカ』なども有名。果たして『ビスタ』がこれらの曲に並ぶ人気の呪文ソングとして日本に定着するか、一時的な流行ソングとして終わってしまうか、今後の行く末が興味深い。