アナと雪の女王 オープニングの原曲

北欧ラップランドのサーミ人によるヨイクと賛美歌

2014年3月に日本で公開されたディズニー長編アニメ映画「アナと雪の女王」(原題:Frozen)。主題歌『Let It Go レット・イット・ゴー』とともに爆発的なヒット作となった。

「アナと雪の女王」オープニング映像では、「ナーナーナーヘイヤーナー♪」と女性の歌声で、どこかの国の民族音楽のような不思議な曲が流れる。このオープニング曲について少し掘り下げてみたい。

ジャケット写真は「アナと雪の女王」オリジナルサウンドトラック(CD2枚組)。このディスク1の11曲目『ヴェリィ (フィーチャリング・カントゥス)』(Vuelie/feat. Cantus)が、オープニングで「ナーナーナーヘイヤーナー♪」と流れたあの曲である。

そういえば、「ライオンキング」オープニングでも「ナァーツィゴンニャー♪」と異国の言語でシャウトする印象的な曲があったが、「アナと雪の女王」オープニングはこれの北欧版オマージュなのだろうか。

【YouTube】 Vuelie (feat. Cantus) - Frozen (OST)

原曲はノルウェーのフローデ・フェルハイム作曲

この「アナと雪の女王」オープニング曲には原曲が存在する。作曲者はノルウェーの音楽家フローデ・フェルハイム(Frode Fjellheim/1959-) 。

彼が1994年に作曲した『Eatnemen Vuelie』(意味:大地の歌)が、このオープニング原曲であり、「アナと雪の女王」では、ノルウェーの女声アカペラ・コーラス「カントゥス CANTUS」がカバーした同曲のアレンジ版が使われている。

ちなみに、「カントゥス CANTUS」日本デビュー盤「ヴェリィ~魔法の歌声」では、映画版とは異なる『ヴェリィ Vuelie』オリジナルバージョンが収録されている。

【YouTube】 Eatnemen Vuelie

北欧サーミ人のヨイクとヨーロッパの賛美歌が元に

原曲を作曲したフローデ・フェルハイム氏のインタビュー記事などによれば、『Eatnemen Vuelie』は、北欧ラップランドに住むサーミ人の民族音楽「ヨイク」と、ヨーロッパに伝わる讃美歌『イエス君はいとうるわし Fairest Lord Jesus』からインスピレーションを受けた楽曲だという。

ヨイクはヨーロッパでも最古の部類に属する伝統歌謡で、自然や人に対して捧げられる非常に霊的なものとされている。サーミ人に特有の歌唱法で歌われ、ある意味「サーミ民謡」といっても過言ではないだろう。

讃美歌『Fairest Lord Jesus』については、こちらの解説ページを適宜参照されたい。冒頭のメロディがなんとなく似ているが、言われなければ分からないレベルだ。

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