知床旅情 歌詞の意味

知床の岬に はまなすの咲くころ

『知床旅情』(しれとこりょじょう)は、森繁 久彌(もりしげ ひさや/1913-2009)の作詞・作曲により1960年に発表された歌謡曲。

歌いだしの歌詞は「知床の岬に はまなすの咲くころ」。

歌詞では、知床半島を中心とした北海道の自然が描写されている。歌詞に登場する主な語句の意味については後述する。

加藤登紀子による歌唱で有名なほか、美空ひばり、倍賞千恵子、桑田佳祐なども『知床旅情』をカバーしている。

写真:知床岬(出典:そとあそびWebサイト)

【試聴】 知床旅情 - 加藤登紀子

ハマナス

『知床旅情』の歌詞で歌われる「はまなす」は、夏に赤い花を咲かせるバラ科バラ属のハマナスのこと。晩夏の季語。

海岸の砂地(浜)に自生し、ナシに似た果実をつけることから「ハマナシ」と呼ばれ、それがなまって「ハマナス」となったと考えられている。

写真:ハマナス(出典:Wikipedia)

白夜は明ける

『知床旅情』1番の最後にある「白夜は明ける」については、北極圏や南極圏などで太陽が沈まない「白夜(びゃくや)」とは異なる。

太陽が沈まない「白夜」は、緯度が66.6度以上の地域で起こる自然現象であり、知床半島は北緯44度に位置していることから、太陽は完全に沈む。

ピリカ

『知床旅情』2番の歌詞にある「ピリカ」とは、アイヌ語で「良い」「美しい」「きれいだ」「立派だ」「豊かだ」などの意味がある。

作詞者の森繁 久彌は、この「ピリカ」を「若い女性」の意味で使っている。

北海道には美利河(ピリカ)という地名があるほか、美利河ダム、ピリカ湖、美利河温泉、ピリカ遺跡など、ピリカが用いられた名称が数多く存在する。

ラウス

『知床旅情』3番の歌詞にある「ラウス」とは、知床半島の東側半分を占める羅臼町(らうすちょう)を意味している。

「ラウス」と読む町名は、アイヌ語で「獣の骨のある所」を意味する「ラウシ」に由来している。かつてこの一帯はアイヌの狩猟地だった。

ちなみに「知床(しれとこ)」は、アイヌ語で「大地の突端」を意味する「シリエトク」に由来している。

写真:羅臼川と羅臼岳(出典:Wikipedia)

早春賦とメロディが似てる?

『知床旅情』の冒頭のメロディは、「春は名のみの風の寒さや 谷のうぐいす歌は思えど」の歌いだしで有名な『早春賦(そうしゅんふ)』によく似ている。

ただ、『早春賦』もモーツァルト作曲「春への憧れ(K596)」と非常に曲想が似通っている。

これら3曲を比較しながら聴いてみると、何か新しい発見があるかもしれない。

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