越中おわら節

富山県民謡(富山市八尾地域)

『越中おわら節』(えっちゅう おわらぶし)は、富山県富山市八尾(やつお)地域で歌われる民謡。江戸時代から伝わり、大正から昭和にかけて洗練された。

伴奏に胡弓(こきゅう)が用いられる全国でも珍しい部類の民謡。富山県富山市生まれの作曲家・岩河三郎の編曲により合唱曲『越中おわら』としても親しまれている。

写真:おわら風の盆(出典:N町より愛をこめて)

毎年9月に八尾で行われる盆踊り「おわら風の盆」では、この『越中おわら節』にのせて男女の踊り手たちが町内を練り歩き、毎年多くの観光客が訪れる。2015年3月の北陸新幹線開通後は東京からのアクセスも便利になるだろう。

「おわら」の意味・由来は?

『越中おわら節』の「おわら」の意味・由来については諸説あり、「お笑い」から転じたとする説、豊作を願う「大藁(おおわら)」とする説、八尾近郊の小原村(桐谷地区)の娘による歌から広まったとする説などあるが、確たる通説はないようだ。

なお、よく似た曲名の民謡として、青森県・津軽小原節、秋田小原節、鹿児島おはら節などがあるが、『越中おわら節』との関連は不明。

歌詞の内容は?

『越中おわら節』の歌詞は、7、7、7、5の26文字から構成される伝統的な甚句(じんく)スタイルを基本とする。数千にも及ぶ様々な創作歌詞が存在するが、まずは押さえておきたい代表的な甚句として、八尾の春夏秋冬を読んだ4首「八尾四季」をご紹介しよう。

「八尾四季」は1928年に画家・小杉放庵が依頼を受けて作詞したもので、後に舞踏家若柳吉三郎が新たな振り付けを行い、「新踊り」として現代まで踊り継がれている。

八尾四季(作詞:小杉放庵)

揺らぐ吊り橋 手に手を取りて 渡る井田川 オワラ 春の風

富山あたりか あのともしびは 飛んでいきたや オワラ 灯とり虫

八尾坂道 別れてくれば 露か時雨(しぐれ)か オワラ ハラハラと

もしや来るかと 窓押し開けて 見れば立山 オワラ 雪ばかり

合いの手(囃子言葉)について

『越中おわら節』を歌う際には、決まった合いの手・囃子言葉(はやしことば)が用いられる。

まず歌い出しには、「唄われよ(歌われよ)、わしゃ囃す(はやす)」と伴奏者らによって囃子言葉が入る。歌い手の歌い出しのタイミングを整える役割も果たしているのだろう。

次に、歌詞(甚句)の上の句と下の句の間に「キタサノサ ドッコイサノサ(サッサ)」の囃子言葉が入る。「八尾四季」の歌詞で言えば、「揺らぐ吊り橋 手に手を取りて」の後に「キタサノサ ドッコイサノサ」と入る。

【試聴】越中八尾 おわら風の盆 2014

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