待ちぼうけ

日本の童謡・唱歌/切り株にうさぎが激突 味をしめた百姓の哀れな末路

北原白秋と山田耕筰のコンビによる童謡・唱歌といえば、『からたちの花』、『この道』など、抒情感あふれる感傷的な曲が思い出されるが、このページでは、彼らの作品の中では若干趣が異なるユニークな童謡・唱歌『待ちぼうけ』をご紹介したい。

童謡・唱歌『待ちぼうけ』で描かれるのは、紀元前の中国・宋の時代の説話。『うさぎとかめ』や『花咲かじいさん』のような、ある種の教訓を含んだストーリー性のある童謡・唱歌を思い浮かべていただければ良いだろう。

待ちぼうけのストーリー

歌に登場する主人公は、ごく平凡な一人の百姓。真面目に畑を耕し、手間暇をかけて作物を収穫し生活していたが、ある日、畑の隅にあった切り株に野うさぎが激突。ふいに転がり込んだ獲物を早速持ち帰り、百姓は思わぬごちそうにありつくことができた。

「待っているだけでごちそうが食べられる。」

労せずして得たごちそうに味を占めた百姓は、次の日から鍬を捨て、日向で頬づえをついて、また切り株にうさぎがぶつからないかと、ただひたすらぼーっと『待ちぼうけ』の日々を過ごした。

来る日も来る日も『待ちぼうけ』。切り株見つめて『待ちぼうけ』。けれども獲物は現れず、手入れをしない畑は荒れ放題。後日ふと我に返ったときにはもう手遅れ。畑は作物もまったく収穫できない荒れ野と化してしまった。

国中の笑いものになった百姓の哀れな末路。この物語は、説話「守株待兔」(しゅしゅたいと、くひぜをまもりてうさぎをまつ)として、中国の思想書「韓非子」(かんぴし)に記述されている(文脈としては政治批判に用いられている)。

日本の民謡・童謡・唱歌 歌詞と視聴

【試聴】童謡・唱歌『待ちぼうけ』

歌詞:童謡・唱歌『待ちぼうけ』

待ちぼうけ 待ちぼうけ
ある日せっせと 野良稼ぎ
そこに兔がとんで出て
ころりころげた 木のねっこ

待ちぼうけ 待ちぼうけ
しめた これから寝て待とうか
待てば獲物が驅けてくる
兔ぶつかれ、木のねっこ

待ちぼうけ 待ちぼうけ
昨日鍬取り 畑仕事
今日は頬づゑ 日向ぼこ
うまい切り株 木のねっこ

待ちぼうけ 待ちぼうけ
今日は今日はで 待ちぼうけ
明日は明日はで 森のそと
兔待ち待ち 木のねっこ

待ちぼうけ 待ちぼうけ
もとは涼しい黍畑
いまは荒野のほうき草
寒い北風 木のねっこ

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