雪祭り NHKみんなのうた

郵便屋さんがやってきた 花の便りはまだですか

『雪祭り』は、NHK「みんなのうた」で1984年12月に初回放送された子供向けの歌。作詞・作曲は、『山口さんちのツトム君』を手掛けた「みなみらんぼう」氏。

歌詞では、雪遊びに興じる子供たちの元気な姿を描く一方で、春を待ち望む思いが切なく歌い上げられている。

【試聴】 雪祭り

「神棚に猫柳(ネコヤナギ)」という歌詞から、この歌が描写している時期はお正月を過ぎたあたり(小正月)と推測される。

正月の繭玉飾りでは、繭(まゆ)に見立てた団子を作り、ネコヤナギやケヤキ、ミズキなどの枝にさして、神棚や母屋の入り口などに飾られる。

ちなみに、雪ウサギ(雪像)の目に用いられる赤い実の南天(ナンテン)は、「難転」即ち「難を転ずる」として縁起の良い木とされ、正月飾りにも用いられる。

アニメーションは『こだぬきポンポ』の堀口忠彦氏

『雪祭り』の味わい深いアニメーションを担当したのは、『こだぬきポンポ』、『ふたりは80才』、『コンピューターおばあちゃん』など、数々のみんなのうたアニメーションを手掛けた堀口忠彦氏。

堀口氏による優しい和のテイストは、『雪祭り』の楽曲にとてもマッチして素晴らしいの一言。特に間奏で雪ウサギが群れ飛ぶアニメーションはとても幻想的だ。郵便屋さんのニヤリとした表情もどこか非現実的な印象で、民話や童話のような異世界感すら漂っている。

80年代のシンセサイザー・アレンジ

『雪祭り』で雪ウサギが群れ飛ぶ間奏部で流れるシンセサイザーのアレンジが、今聞くとそのレトロな感じが味わい深く、幻想的な響きさえ感じられる。

シンセサイザーによる当時の有名な曲といえば、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)による1979年の作品『RYDEEN ライディーン』や、喜多郎『シルクロード』などが定番だ。

1970年代後半の米国ディズニーランドでは、メインストリートで夜に行われていたエレクトリカル・パレードでシンセサイザーを用いたテーマ曲が流れていた。

『雪祭り』がNHKみんなのうたで放送される5か月前の1984年7月には、アメリカで映画『ネバーエンディング・ストーリー The NeverEnding Story』が公開され、主題歌にシンセサイザーを用いたテーマ曲が大ヒットした。

その1年前の1983年には、日本で映画『南極物語』が公開され、作曲家ヴァンゲリスのシンセサイザーによるテーマ曲『Theme from Anterctica』が映画のヒットに大きく貢献した。

『雪祭り』にはこうした80年代シンセ・ブームのレトロなテイストが浸透しており、楽曲の味わい深さに大きな役割を果たしているように思われる。

ちなみに、『雪祭り』の編曲者は映画音楽家の石原 眞治氏。冒頭のイントロもよく聞くと、 1984年6月公開の映画「ゴーストバスターズ」テーマ曲のイントロに似ている。

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