サザエさん エンディング曲の元ネタ・ルーツ
ブラジル音楽「バイヨン」

国民的アニメ「サザエさん」エンディング曲のルーツを探る

アニメ「サザエさん」エンディングテーマ曲として、1969年から日曜日版で放送されているおなじみの国民的ソング『サザエさん一家』。

あの独特のリズムのエンディング曲については、その直接のルーツ・元ネタが明らかになっている。このページでは、その元ネタのさらに元ネタ・ルーツについてまとめてみたい。

まずは直系の元ネタから。アニメ「サザエさん」が放送開始される1年前の1968年。アメリカのバンド「1910 Fruitgum Company」による『Bubble Gum World バブルガム・ワールド』がリリースされた。

【試聴】Bubble Gum World - 1910 Fruitgum Company

YouTubeで動画を見ていただければ明らかだが、イントロから『サザエさん一家』のそれによく似ている。これを偶然の一致と考えるのは少々難しいレベルだ。

さらにルーツをさかのぼると…

この『Bubble Gum World バブルガム・ワールド』のリズム部分については、さらにルーツをさかのぼることができる。

1952年にリリースされた、アメリカのパーシー・ フェース楽団(Percy Faith)によるバイヨン系の楽曲『デリカード Delicado』がそのルーツ・元ネタを言えそうだ。

【試聴】デリカード Delicado パーシー・ フェース

バイヨン Baião』とは、1950年代に世界的に流行したブラジルのダンス音楽・リズムで、元々はブラジル北東部バイーア州(バイア州)発祥の民族音楽だという。

ちなみに、バイーア州の港湾都市サルヴァドール(Salvador)はサンバ発祥地とも言われ、バイヨンとサンバは兄弟のような関係にある。

1965年 ビター・スウィート・サンバ

参考までに、 1965年にリリースされた『ビター・スウィート・サンバ BITTERSWEET SAMBA』を聴いてみて欲しい。この曲は、深夜ラジオ番組「オールナイト・ニッポン」テーマ曲としても有名。

【試聴】ビター・スウィート・サンバ BITTERSWEET SAMBA

この『ビター・スウィート・サンバ BITTERSWEET SAMBA』が本当にサンバなのかどうかは別として、バイヨンとサンバの近い関係性が表れているように感じられる。

1940年代後半 ルイス・ ゴンザーガ

さて、最後に上述のパーシー・ フェース楽団『デリカード Delicado』のさらにルーツと思われる楽曲をご紹介したい。

その曲とは、1940年代後半にブラジル音楽『バイヨン Baião』の世界的ブームの火付け役となったブラジル出身の音楽家ルイス・ ゴンザーガ(Luiz Gonzaga/1912‐1989)による『バイヨン Baião』。

【試聴】Luiz Gonzaga -- Baião - Oficial

この曲以外にも、ルイス・ ゴンザーガの楽曲はブラジル音楽『バイヨン Baião』のリズムを堪能できるので、いろいろ比較しながら聴いてみると面白い発見があるかもしれない。

『手のひらを太陽に』もバイヨンだった?

ちなみに、1961年に発表された『手のひらを太陽に』は、最初期のバージョンでは『バイヨン Baião』のリズムが取り入れられていたことはあまり知られていない。

このバイヨン版『手のひらを太陽に』はあまりヒットしなかったという。

『白い蝶のサンバ』と『てんとう虫のサンバ』

アニメ「サザエさん」エンディング曲が初放送された1969年の翌年には、日本で『白い蝶のサンバ』(歌:森山加代子)、その3年後に『てんとう虫のサンバ』がリリースされている。

これら2曲は本来のサンバではないものの、「サザエさん」エンディング曲と同じ時代の流れの中で生まれたブラジル音楽系の楽曲であることは間違いないだろう。

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