ギリシャ国歌

ギリシャ共和国/Hellenic Republic

ギリシャ国歌『自由への賛歌 Hymn to Liberty(Freedom)』は19世紀前半に作曲され、1873年に正式にギリシャ国歌として採用された。

歌詞は、ギリシャ独立戦争(1821-1827)の最中、ギリシャの国民的詩人ディオニシオス・ソロモス(Dionysios Solomos/1798-1857)が1823年に発表した158節からなる叙事詩の2節が採用されている。

古代ギリシャ時代に建築されたパルテノン神殿

世界一長い歌詞? ギリシャ国歌

まれにこの158節全体を歌詞として捉え「世界一長い国歌」として紹介されることがあるが、前述のとおり実際の公式の歌詞は2節のみである。

ギリシャ国歌の歌詞は、ギリシャがオスマン帝国と独立をかけて戦った1821年のギリシャ独立戦争が題材となっている。

【関連ページ】ギリシャ独立戦争 オスマン帝国の衰退

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国歌の歌詞・和訳

Σε γνωρίζω από την κόψη
του σπαθιού την τρομερή,
σε γνωρίζω από την όψη
που με βία μετράει τη γη.
Απ’ τα κόκκαλα βγαλμένη
των Ελλήνων τα ιερά,
και σαν πρώτα ανδρειωμένη,
χαίρε, ω χαίρε, Ελευθεριά!

畏敬の剣に汝の姿を見る
大地を統べる汝の御力
ギリシャの聖なる骨により生まれ出でん
いにしえより勇敢なりし
歓呼して迎えよ 自由万歳!

キプロス国歌について

ちなみに、トルコの南に位置するキプロス島の共和制国家キプロス(Cyprus)では、ギリシャと全く同じ国歌『自由への賛歌』がキプロス国歌として公式に採用されている。

キプロスはギリシャ系民族によるほぼ単一民族国家で、キプロス島の北部にはトルコ系民族が多数を占める北キプロス・トルコ共和国が存在する。同国は1983年にキプロス共和国からの独立を宣言したが、トルコ以外は同国を国家として承認していない。

オリンピック発祥の地

国際オリンピック委員会(IOC)が主催する世界的なスポーツ大会である近代オリンピックは、古代ギリシャで開催されていたオリンピア大祭(オリュンピア大祭)にそのルーツを求めることができる。

近代オリンピックは、19世紀末にフランスのクーベルタン男爵によって提唱され、最初の夏季オリンピックは1896年にギリシャの首都アテネで開催された。

オリンピックの閉会式では、ルーツとなった古代オリンピック開催地であるギリシャに敬意を表してギリシャ国歌が必ず演奏される。

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