大きな古時計の影の立役者
名訳を生んだ保富康午とは?

大きな古時計の謎 Grandfather's Clock

保富氏の代表作 ドカベン

「大きな古時計」の日本語の歌詞は、作詞家の保富康午(ほとみ こうご)によって訳詞されたものだ。

言語の違いと字数制限の中で、原曲の雰囲気を見事に伝える名訳中の名訳だ。

保富康午(ほとみ こうご)はどんな人?

保富康午(ほとみ こうご)は、1930年(昭和5年)3月2日生まれの東京都出身。同志社大学卒業後、詩人である村野四郎氏の弟子として活動。知人からミュージカルの台本依頼をされ、それを機に構成作家としてテレビの仕事に携わるようになった。

その後、構成作家としてNHK「紅白歌合戦」、フジテレビ「ミュージックフェア」等の歌番組を始め、各種の有名な歌番組・舞台に携わったほか、子供向けの歌の執筆や外国の童謡の訳も手がけた。1984年9月19日、54歳の若さでこの世を去っている。

代表曲は、「ドカベン」(1976年・水島新司と共作)、「おれば鉄兵」(1977年)、「一球さん」(1978年)、「宇宙海賊キャプテンハーロック」(1978年)、「科学忍者隊ガッチャマンII」(1978年)、「タイガーマスクII世」(1981年)など。

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実は森進一「おふくろさん」騒動の黒幕だった?

森進一ベスト~人生ひたすら~

「おふくろさん」は、川内康範が作詞し、1971年(昭和46年)に発売された森進一の代表曲。

この「おふくろさん」をめぐり、2007年に勃発した「おふくろさん」騒動に、実は保富康午(ほとみ こうご)が一枚かんでいたという事実をご存知だろうか?

「おふくろさん」騒動とは、紅白歌合戦で森進一が歌った「おふくろさん」の歌詞に、オリジナルにはないセリフが無許可で足されているとして、作詞者の川内が著作権侵害を訴えた一連の騒動だ。

保富康午がセリフ追加を提案?!

勝手に追加されたセリフとは、イントロ前の「いーつーも心配かけてばかり…」という小節。この部分は、当時森のコンサートをすべて仕切っていた保富康午が補詞を付けることを提案したものだった。

保富氏の提案を受け、当時森が所属していた渡辺プロダクションの賛成の元、原作曲者の猪俣が曲をつけたものであった。だが、これは作詞者の川内にはまったく伝えられていなかった。

火に油を注いだ森進一だけが矢面に

本来であれば、川内康範の怒りは、作詞者の保富康午、作曲者の猪俣公章、および渡辺プロダクションに向けられるべきものだった。しかし、大物歌手としてのプライドからか、「あの歌は“森進一のおふくろさん”」、「(事務所が主導していたのに自分が)謝る理由がわからない」など、火に油を注ぐ発言を繰り返した歌手の森進一だけが矢面に立たされた。

この点については、保富や猪俣がすでに故人であることや、巨大プロダクションである渡辺プロダクションへの批判を行いにくい、さらには誰が本当の犯人かわからない状態で森批判を始めてしまったため、いまさら引くに引けなくなってしまったことなど、複雑な事情が絡んでこじれて騒動に発展してしまったようだ。

この騒動を受け、森進一は「おふくろさん」を封印した。今は、もう、歌えない・・・おふくろさん・・・

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