ラ・クカラチャの謎 はじめに

ドナドナ研究室

『ドナドナ研究室』第4弾は、これもお馴染みの「ラ・クカラチャ」をとりあげたいと思います。日本では複数の訳詞がつけられていて、曲のタイトルも「ラ・クカラチャ」ではなく「車にゆられて」となっている曲が一般的に広まっているようです。

JASRAC作品検索サービスで「車にゆられて」を検索してみると、津川 主一さんと佐木 敏さんという方が作詞者として登録されていました。参考までに、佐木 敏さんの訳詞「車にゆられて」の1番を引用したいと思います。

山のふもとまで 続いている道
森のはずれには サイロが見えるよ
車にゆられて 仕事にでかける
ぼくたちの顔に 朝日がまぶしい
ラクカラチャ ラクカラチャ
ゆらゆらゆれて
ラクカラチャ ラクカラチャ
牧場(まきば)の中の
ラクカラチャ ラクカラチャ でこぼこ道を
ラクカラチャ ラクカラチャ 車がゆくよ

個人的には、なんとなくカントリーの雰囲気というか、大農園で朝早くから働く労働者を連想させるような、ちょっと男くさい泥臭いイメージをこの詞からは感じます。

今度は「ラ・クカラチャ」で検索してみると、「車にゆられて」で検索したときよりもたくさんの検索結果が表示されました。

その中のいくつかには、作曲者の欄に「メキシコ民謡」との記載があります。JASRACのデータベースではメキシコ民謡とされているこの曲、メキシコではどのような歌詞がつけられているのでしょうか?

原曲の歌詞に見え隠れするメキシコの英雄とは?

ラ・クカラチャには無数の歌詞がつけられているため、どれがこの曲に一番最初につけられた歌詞であるかについは、おそらく現存する資料はほとんどないのではないかと思われます。

このメロディー自体がどこで生まれたのかについても明確な資料は見当たりません。今からご紹介する歌詞も、メキシコで最も多くの人に広まっているであろう歌詞を取り上げたもので、これが「ラ・クカラチャ」の正統な歌詞であると示唆するものではありません。

Una cosa me da risa
Pancho Villa sin camisa
Ya se van los carrancistas
Porque vienen los villistas

La cucaracha, la cucaracha,
Ya no puede caminar;
Porque no tiene, porque le falta
Marihuana que fumar

上の歌詞で太字斜体の部分を見ると、何やら「Pancho Villa(パンチョ・ビリャ)」という人名らしき単語が出てきます。このパンチョ・ビリャについて掘り下げることで何らかの手がかりが見えてきそうです。

このパンチョ・ビリャとは一体何者なのでしょうか?そして「ラ・クカラチャ」とはどのような関係にあるのでしょうか?「ラ・クカラチャ」の本当の意味についてせまります。

【次のページ】 2.パンチョ・ビリャはどんな人?

ラ・クカラチャの謎 目次

  1. 原曲の歌詞
  2. パンチョ・ビリャはどんな人?
  3. パンチョ・ビリャの生い立ち
  4. メキシコ革命とビリャ
  5. 復讐に燃えるビリャ
  6. ラクカラチャとの関係
  7. 残された謎
  8. パンチョ・ビリャの最期

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