故郷の廃家 こきょうのはいか
幾年ふるさと 来てみれば 咲く花 鳴く鳥 そよぐ風
「幾年(いくとせ)ふるさと 来てみれば」が歌い出しの『故郷の廃家(こきょうのはいか)』は、犬童球渓(いんどう・きゅうけい/1884 - 1943)の作詞による明治時代の唱歌。原曲はアメリカ歌曲(後述)。
同じ作詞者による『旅愁(りょしゅう)』と合わせて、1907年(明治40年)に出版された音楽教科書「中等教育唱歌集」に掲載された。
ちなみに、犬童球渓はペンネームで、生まれ故郷の球磨川渓谷に由来している。
写真:犬童球渓の故郷・熊本県の球磨川(出典:Wikipedia)
【YouTube】故郷の廃家
歌詞
幾年(いくとせ)ふるさと 来てみれば
咲く花 鳴く鳥 そよぐ風
門辺(かどべ)の小川の ささやきも
なれにし昔に 変らねど
あれたる我家(わがいえ)に
住む人絶えてなく
昔を語るか そよぐ風
昔をうつすか 澄める水
朝夕かたみに 手をとりて
遊びし友人(ともびと) いまいずこ
さびしき故郷や
さびしき我家や
歌詞の意味
「幾年(いくとせ)」とは、多くの年数が経過したことを表す。卒業ソング『仰げば尊し』でも「はや幾年」と歌われているが、ここではさらに多くの年数が経過しているように思われる。
「門辺(かどべ)の小川」とは、家の門の前付近を流れる小川のこと。
「なれにし」は、「慣れ親しんだ」の意味
「あれたる」は、「荒れてしまった」の意味。
「かたみに」とは、「互いに、かわるがわる」の意味。
原曲のアメリカ歌曲について
『故郷の廃家(こきょうのはいか)』の原曲は、アメリカ・ケンタッキー州出身の音楽家ウィリアム・ヘイス(W.S.Hays)作曲による『My Dear Old Sunny Home』(1871年)。
ヘイスの活動時期は、『大きな古時計』作曲者のH.C.ワークや、『故郷の人々(スワニー河)』作曲者のS.C.フォスターとほぼ同時期。
関連ページ
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