春よ来い
日本の童謡/春よ来い 早く来い あるきはじめた みいちゃんが
『春よ来い(はるよこい)』は、大正時代後期に作曲された童謡。歌詞に登場する「みいちゃん」とは、作詞者・相馬御風(そうま ぎょふう/1883-1950)の長女「文子(ふみこ)」がモデルとされている。
歌詞では、「じょじょ(草履)」、「おんも(表・外)」などの幼稚語をうまく取り入れつつ、「あるきはじめた」ばかりのみぃちゃんの視点を通して、雪に閉ざされた越後の冬で静かに春を待ち望む人々の強い思いが伝わってくる。
作曲は、『鯉のぼり』、『浜千鳥』、『雀の学校』などで知られる弘田 龍太郎(ひろた りゅうたろう/1892-1952)。
試聴・歌詞:春よ来い
春よ来い 早く来い
あるきはじめた みいちゃんが
赤い鼻緒の じょじょはいて
おんもへ出たいと 待っている春よ来い 早く来い
おうちのまえの 桃の木の
つぼみもみんな ふくらんで
はよ咲きたいと 待っている
相馬御風の故郷 新潟県糸魚川市の雪
相馬御風の故郷である新潟県糸魚川市(いといがわし)は、日本海に面した新潟県の最も西端の市で、フォッサマグナの西端が通る東西の境界線上に位置している。
累積降雪量は4メートルを超える年もあり、糸魚川シーサイドバレーなどのスキー場には毎年大勢のスキー客が訪れる。世界的にも珍しいヒスイの産地であり、景勝地親不知(おやしらず)でも有名。
新潟の深い雪に閉ざされた冬の間は、もちろん外では遊べない。童謡『春よ来い』の歌詞には、早く春になって雪が解けるのを待ち遠しく思う「みいちゃん」の思いが込められている。
ちなみに、合唱曲『親しらず子しらず』(山本和夫作詞、岩河三郎作曲)は、同じく糸魚川市の地方に伝わる伝承が元になっているとのこと。
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