お猿のかごや 歌詞の意味 童謡

エッサホイサッサ お猿のかごやだ ホイサッサ♪

『お猿のかごや』(おさるのかごや)は、作詞:山上武夫、作曲:海沼 實(かいぬま みのる)による日本の童謡

作詞者の山上氏が、ある日夕焼けを眺めながら、「故郷(長野市松代)の山道で出合った猿は今頃どうしているかな」と物思いにふける中、猿が駕籠(かご)を担ぐ歌詞が浮かんだという。

お猿のかごや

挿絵:講談社「童謡画集(2)」より(作:鈴木寿雄)

『お猿のかごや』の歌詞は4番まである。特に難解な点は見られないが、このページでは、主なキーワードについて簡単な解説・補足をしてみたい。

ちなみに、作曲者の海沼 實(かいぬま みのる)は他にも、『あの子はだあれ(たあれ)』、『みかんの花咲く丘』、『里の秋』など、今日でも有名な童謡・唱歌を手がけている。

【YouTube】お猿のかごや

歌詞の意味・補足

それではまず、作詞:山上武夫による『お猿のかごや』の歌詞を次のとおり引用する。

1.
エッサ エッサ エッサホイ サッサ
お猿のかごやだ ホイサッサ
日暮れの山道 細い道
小田原提灯ぶらさげて ソレ
ヤットコ ドッコイ ホイサッサ
ホーイ ホイホイ ホイサッサ

2.
エッサ エッサ エッサホイ サッサ
木(こ)の葉のわらじで ホイサッサ
お客はおしゃれの こん狐(ぎつね)
つんとすまして 乗っている ソレ
ヤットコ ドッコイ ホイサッサ
ホーイ ホイホイ ホイサッサ

3.
エッサ エッサ エッサホイ サッサ
元気なかごやだ ホイサッサ
すべっちゃいけない 丸木橋
そらそら小石だ つまずくな ソレ
ヤットコ ドッコイ ホイサッサ
ホーイ ホイホイ ホイサッサ

4.
エッサ エッサ エッサホイ サッサ
のぼって くだって ホイサッサ
ちらちらあかりは 見えるけど
向うのお山は まだ遠い ソレ
ヤットコ ドッコイ ホイサッサ
ホーイ ホイホイ ホイサッサ

駕籠(かご)

駕籠(かご)は、人を乗せて人力で運ぶ乗り物のこと。人が座る部分を一本の棒に吊し、複数人で棒を前後から担いで運ぶ。江戸時代まではよく使われた。明治以降は人力車に取って代わられた。

渓斎英泉作「熊谷宿八丁堤景」

挿絵:渓斎英泉作「熊谷宿八丁堤景」(出典:Wikipedia)

小田原提灯とは?

歌詞の「小田原提灯(おだわらちょうちん)」とは、小田原の職人が考案した、じゃばら構造で折り畳みができる提灯。

小田原提灯

小田原提灯は携帯に便利で丈夫・安価・雨に強く、江戸時代の旅人に人気を博した。

写真:小田原提灯(出典:WEBマガジン「オダワラボ」)

エッサ ホイサ

「エッサ ホイサ」とは、重い駕籠(かご)を担いで運ぶ際に、前後の担ぎ手が調子を合わせて、力を入れるタイミングや足並みをそろえるための掛け声。「エッサ」は「エイサ」の変化形か。

山上氏の原詩では「エッサ ホイサ エッサ ホイサ」だったが、「メロディに乗りにくく軽快さに欠ける」という作曲者・海沼氏の助言で現在のものに改められた。

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