閉店の音楽・閉館BGM 定番の曲
お客様に閉店時間をお知らせする店内BGMの定番は?
スーパーや百貨店、公共施設、小売店・飲食店など、お客様にまもなく閉店・閉館時間だと知らせるために店内に流す「閉店の音楽・閉館BGM」について、世界の民謡からクラシック音楽まで、定番の曲・有名な曲をいくつか簡単にまとめてみた。
写真:夜の伊勢丹新宿店(出典:ナガセ・ファクトリー)
文中の曲名にリンクが張ってあるので、各曲の詳細についてはリンク先の解説ページを適宜参照されたい。
「閉店の音楽」以外のテーマ別・内容別のうたについては、こちらの「テーマ別・内容別のうた・音楽 一覧」でまとめている。
別れのワルツ(蛍の光)
閉店・閉館BGMと言えば、日本の唱歌『蛍の光』と同じメロディを三拍子のワルツ調に編曲した『別れのワルツ』がやはり定番中の定番。
スーパーや百貨店、公共施設など、業種や客層を問わず、様々な年齢層に分かりやすく閉店ムードを演出できる無難な選曲。
編曲者は、2020年のNHK朝ドラマ(連続テレビ小説)「エール」で主人公のモデルとされた古関裕而(こせきゆうじ)。
『蛍の光』のメロディを古関裕而が直接アレンジしたわけではなく、アメリカ映画「哀愁」劇中において、『蛍の光』の原曲であるスコットランド民謡『オールド・ラング・ザイン Auld Lang Syne』をワルツに編曲した楽曲が用いられていたのを、古関裕而が採譜しアレンジを加えた楽曲。
そのため、『別れのワルツ』と『蛍の光』は、同じスコットランド民謡を持つ兄弟関係にあると言える。
家路(遠き山に日は落ちて)
『家路 Goin' Home』は、閉店時の音楽として『別れのワルツ』に勝るとも劣らない定番曲の一つ。
同曲は、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」第2楽章のメロディに歌詞をつけた楽曲で、冒頭の歌詞(の意味)「帰ろう 帰ろう 家路へと」は、お客さんに帰るよう優しく訴えかける閉店BGMとして最適。
ちなみに日本では、さらに別の日本語歌詞がつけられており、『遠き山に日は落ちて』としてキャンプファイヤーや野外レクリエーションなどで親しまれている。
ショパン『別れの曲』
ショパン『別れの曲(12の練習曲 第4番)』も、上述の2曲ほどではないが、閉店時のBGMとして使われることがあるようだ。
テレビ番組やドラマなどでも、別れに関するシーンなどでこのショパン『別れの曲』がBGMに用いられている。
アニーローリー
大手百貨店の高島屋では、閉店前の音楽としてスコットランド民謡『アニーローリー Annie Laurie』が使われていたようだ(現在は不明)。
同曲の歌詞は、愛する二人が政略結婚で引き裂かれてしまうという悲しい物語だが、閉店BGMはメロディしか使われないので問題はないだろう。
『別れのワルツ』の原曲『蛍の光 Auld Lang Syne』もスコットランド民謡だが、日本人にはスコットランド民謡の音階が心地よく聞こえるという。
ダニーボーイ
閉店音楽を集めたオムニバスCD「閉店のBGM」(コロンビア)では、日本でも有名なアイルランド民謡『ダニーボーイ Danny Boy』が選曲されていた。
この曲が実際に閉店時の音楽として用いられているのを聞いたことはないが、ゆったりと切ないメロディに加え、歌詞は親子の別れの曲となっているので、内容的にも音楽的にも閉店BGMとして申し分ない選曲と言えるだろう。
夕焼け小焼け
言わずと知れた日本の童謡『夕焼け小焼け』も閉店の音楽として使われることがあるようだ。
その大きな理由としては、歌詞の「おててつないでみなかえろう からすといっしょにかえりましょ」という「帰りましょう」メッセージにあることは想像に難くない。
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