When the Chariot Comes
ウェン・ザ・チャリオット・カムズ
童謡『ピクニック(丘を越え行こうよ 口笛吹きつつ)』の原曲?
『When the Chariot Comes』(ウェン・ザ・チャリオット・カムズ)は、19世紀アメリカの黒人霊歌・スピリチュアルソング。
アメリカ南部で鉄道建設に駆り出された黒人たちの労働歌・作業歌(ワーキング・ソング)として歌われたという。
画像:Alabaster Panel from the Central Palace of Tiglath-pileser III/出典:Ancient History Encyclopedia)。
一説には、アメリカ南北戦争時の解放運動「地下鉄道 the Underground Railroad」における隠れたテーマ曲として使われた可能性もあるという。
なお、同曲には後に別の歌詞がつけられ、『She'll Be Comin' Round the Mountain』として数多くのカバー曲が出版された。このカバー版が童謡『ピクニック』の原曲と考えられている。
【YouTube】When the chariot comes - spiritual
歌詞の一例
O, who will drive the chariot When she comes?
O, who will drive the chariot When she comes?
O, who will drive the chariot,
O, who will drive the chariot,
O, who will drive the chariot When she comes?
注:2番以降も同様に一節を繰り返して歌う
2. King Jesus, he'll be driver when she comes,
3. She'll be loaded with bright Angels When she comes,
4. She will neither rock nor totter, When she comes,.
5. She will run so level and steady, When she comes,
6. She will take us to the portals, When she comes,
歌詞の意味・解釈
上述の歌詞を全体的に見てみると、1番の問いかけに2番以降で答えていく流れになっていることが分かる。
運転するのはイエス・キリストであることが2番で明らかになるが、その運転の対象である「When she comes」の「she」とは何なのか?これは鉄道建設で作業員向けに物資を運ぶ運搬車であると考えられているようだ。
3番の歌詞では物資を積んだ状況が、5番の歌詞では車両が線路を走る様子が、6番の歌詞では作業員を運んでいく様子が描写されている。
アメリカ横断鉄道の建設現場で過酷な労働を強いられる労働者たち。最大の楽しみである食事のために食料を運んできてくれる運搬車は、彼らにとってまさに神の施しそのものであったのだろう。
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