露営の歌 歌詞の意味 古関裕而
勝ってくるぞと勇ましく 古関裕而を代表する戦時歌謡
「勝ってくるぞと勇ましく」が歌い出しの『露営の歌』(ろえいのうた)は、古関裕而(こせき ゆうじ)の作曲により、1937年(昭和12年)にレコード発売された戦時歌謡。
「露営(ろえい)」とは、野外に設置した陣営・野営(キャンプ)のこと。
2020年のNHK朝ドラマ「エール」では、作曲者の古関裕而が主人公のモデルとされ、『露営の歌』も劇中で大きく取り上げられて注目を集めた。
写真:京都・嵐山にある『露営の歌』歌碑(出典:「歌碑を訪ねて西東」)
歌詞は新聞社による公募作品(作詞:籔内喜一郎)。古関裕而は、新聞上で発表された歌詞を見て感銘を受け、依頼されてもいないのに、東京への電車内で一気に楽譜を書き上げてしまったという。
作詞者が当時京都市役所に勤務していたことから、京都の嵐山には1938年(昭和13年)に『露営の歌』歌碑が建立されている。
歌碑の場所は、渡月橋南詰から桂川沿いの道を上流方向へ歩き、「星のや 京都」船乗り場を過ぎて、嵐山モンキーパーク登り口の前を少し過ぎた山側にある。
【YouTube】 露営の歌
【YouTube】 美空ひばり 露営の歌
一番の歌詞と補足
有名な一番の歌詞について、特段難解な部分はないが、歌詞の意味を若干補足してみたい。以下引用。
勝って来るぞと 勇ましく
ちかって故郷(くに)を 出たからは
手柄たてずに 死なりょうか
進軍ラッパ 聴くたびに
瞼(まぶた)に浮かぶ 旗の波<引用:『露営の歌』一番の歌詞より>
冒頭の「勝ってくるぞと勇ましく」の部分は、「買ってくるぞと勇ましく」と替え歌で歌われることがある。買い物に行く際に、この替え歌を口ずさんだこと、または思い浮かべたことがある方は決して少なくないだろう。
「死なりょうか」は「死なれようか」、つまり手柄を立てずに死ぬことができようか(いや、できない)といった反語的な意味合い。
「ジョジョの奇妙な冒険」元ネタ
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第4部「ダイヤモンドは砕けない」では、上述の「勝ってくるぞと勇ましく」の替え歌(別バージョン)が登場する。
第4部のエピソード「ぼくは宇宙人」において、岸辺 露伴(きしべ ろはん)が東方仗助とチンチロリン勝負をする際、仗助がイカサマを誤魔化すために「行ってーくるぞと勇ましくー♪」と歌う。
岸辺 露伴はこれに対し、正しい歌詞は「勝ってくるぞと」だとツッコミを入れる。
アニメ版(27話)ではカットされてしまった貴重な替え歌シーンなので、ご興味のある方は是非コミックスでアニメとの違いをじっくり確認してみてほしい。
このエピソードは、電子書籍「ジョジョの奇妙な冒険 第4部 カラー版 13」で入手できる。
古関裕而による有名な戦時歌謡
- 暁に祈る
- 古関・野村・伊藤の「福島三羽烏」による昭和初期のヒット曲
- 若鷲の歌(予科練の歌)
- 映画『決戦の大空へ』主題歌。別名「予科練の歌」。
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