さらばナポリ 歌詞の意味・和訳

海外へ出稼ぎに出るイタリア移民たちの切ない心情を歌ったカンツォーネ

『さらばナポリ』(Addio a Napole)は、ナポリ生まれの音楽家テオドロ・コットラウ(Teodoro Cottrau/1827-1879)作曲によるイタリア歌曲・カンツォーネ

テオドロ・コットラウは、ナポリ民謡『サンタ・ルチア』の歌詞をナポリ語からイタリア語に翻訳したことでも知られる。

ヴェスヴィオ火山とナポリ湾

写真:『フニクリ・フニクラ』で有名なヴェスヴィオ火山とナポリ湾

『さらばナポリ』の歌詞では、何らかの事情でナポリを離れることになった人物の惜別の情が切々と歌い込まれている。おそらくは、海外へ出稼ぎに出るイタリア移民たちの心情が描写されているのだろう。

『さらばナポリ』が作曲された19世紀後半のイタリアでは、南部の貧しい人々がアルゼンチンを目指して大勢の移民団が海を渡った。

アルゼンチンの人口は2015年現在で約4,000万人だが、イタリア移民系(子孫を含む)の人数はおよそ3,000万人にも及ぶという。国民の7割以上がイタリア系。

世界名作アニメ「母を訪ねて三千里」のストーリーにも、イタリアの少年マルコ・ロッシが、アルゼンチンへ出稼ぎに行った母を訪ねて旅に出る物語が描かれている。

アルゼンチンへ渡ったイタリア移民は、現地での文化の発展に大きく貢献した。音楽では、タンゴの新たな可能性を広げたバンドネオン奏者アストル・ピアソラ(移民三世)、サッカー選手では、4度のバロンドールに輝いたリオネル・メッシが有名。

【YouTube動画】Addio a Napole さらばナポリ

歌詞の意味・訳詞

Nce simmo a la partenza
Io mme ne vaco, addio
Napule bello mio
non te vedraggio cchiù

別れの時よ いざいざ さらば
ナポリよいとこ いま別れる

Quanto nc’è de cchiù caro
dinto a te se ‘nzerra…
Addio, addio…

想いは残る 懐かし港
さらば さらば

No paraviso ‘nterra
Napule mio, si’ tu
No paraviso ‘nterra

この世の楽園 ナポリよ いざ
この世の楽園 ナポリよ いざ

<訳詞:問馬直衛>

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