オペラ「ルサルカ」より『月に寄せる歌』
アンデルセン「人魚姫」のストーリーによく似た切ない恋の物語
「ルサルカ」(Rusalka)は、チェコの作曲家ドヴォルザークが1900年に作曲した全3幕のオペラ(作品114)。水の精ルサルカが王子に恋する物語。
第1幕のアリア『月に寄せる歌』(Měsíčku na nebi hlubokém)が特に有名で、オペラとは別に単独で演奏・録音されることが多い。ヴァイオリン用に編曲されている。サラ・ブライトマンのカバー『ラ・ルーナ』も有名(ジャケット写真)。
このページでは、アリア『月に寄せる歌』のチェコ語の歌詞と意味・和訳(意訳)、そしてカタカナ的な発音表記を参考までにまとめておいた。カタカナ的発音については、ヤフー知恵袋の回答を引用した。
ジャケット写真:サラ・ブライトマン『ラ・ルーナ』
なお、オペラ「ルサルカ」の内容は、アンデルセン「人魚姫」のストーリーによく似た切ない恋の物語となっている。「人魚姫」がデンマークで発表されたのは1837年。簡単なあらすじ・ストーリーについても歌詞の和訳の後にまとめておく。
【YouTube】Lucia Popp: Song to the Moon (Rusalka)
【YouTube】 サラ・ブライトマン『ラ・ルーナ』
歌詞の意味・和訳(意訳)
『月に寄せる歌』
(Měsíčku na nebi hlubokém)
Mesiku na nebi hlubokem
Svetlo tve daleko vidi
Po svete bloudis sirokem
Divas se v pribytky lidi
月は高く 空に深く
その光は遠くまで輝き
広い世界をめぐり
人々の家を見つめる
<カタカナ的発音>
ムニェシーチュク ナ ネビ フルボケーム
スヴィェトゥロ トゥベー ダレコ ヴィディー
ポ スヴィェチェ ブロウディーシュ シロケーム
ディバーシュ セ ヴ プジービトゥキ リディー
Mesicku, postuj chvili
Reckni mi, kde je muj mily
月よ しばらくそこにいて
教えて 私の愛しい人はどこ?
<カタカナ的発音>
ムニェシーチュク ポストゥーイ フビーリ
ジェクニ ミ グデ エ ムーイ ミリー!
Rekni mu, stribmy mesicku
Me ze jej objima rame
Aby si alespon chvilicku
Vzpomenul ve sneni na mne
彼に伝えて 銀の月よ
私の思いは彼を抱きしめている
ほんの束の間でも
彼が私の夢を見てくれたら
<カタカナ的発音>
ジェクニ ム ストゥジーブルニー ムニェシーチュク
メー ジェ エイ オブイーマー ラームニェ
アビ シ アレスポニュ フビリチュク
フスポメヌル ヴェ スニェニー ナ ムニェ
Zasvet mu do daleka,
Rekni mu, rekni m kdo tu nan ceka!
遠くから彼を照らして
そして彼に伝えて
ここであなたを待っていると
<カタカナ的発音>
ザスヴィト ム ド ダレカ
ジェクニ ム グド ツ ナニュ チェカー!
O mneli duse lidska sni
At'se tou vzpominkou vzbudi!
Mesicku, nezhasni, nezhasni!Měsíčku, nezhasni!
もし彼が本当に私の夢を見ているのなら
その思い出のまま 彼が目覚めますように
月よ 消えないで 消えないで!
月よ 消えないで!
<カタカナ的発音>
オ ムニェリ ドゥシェ リドゥスカー スニー
アチュ セ トウ フスポミーンコウ フスブディー
ムニェシーチュク ネズハスニー ネズハスニー!
ムニェシーチュク ネズハスニー!
あらすじ・ストーリー
ジャケット写真:ドヴォルザーク: 歌劇《ルサルカ》
第1幕
ルサルカは、森の奥にある湖に住む水の精。ある日人間の王子に恋をし、魔法使いイェジババに人間の姿に変えてもらう。
ただし、人間の姿の間はしゃべれないこと、恋人が裏切った時にはその男とともに水底に沈む、というのがその条件であった。
美しい娘になったルサルカを見た王子は、彼女を城に連れて帰り、結婚する。
第2幕
結婚の祝宴でも口をきかないルサルカを、冷たい女だと不満に思った王子は、祝宴にやってきた外国の王女に心を移してしまう。
祝宴の中、居場所をなくしたルサルカが庭へ出ると、水の精によって池の中に連れ込まれてしまう。王子は恐怖のあまり、王女に助けを求めるが、王女は逃げ去る。
第3幕
森の湖へ移されたルサルカに魔法使いは、元の姿に戻すには裏切った男の血が必要だと語り、ナイフを渡す。ルサルカは王子を殺すことはできないとナイフを捨ててしまう。
ルサルカを探して王子が湖にやってくる。そこで彼は妖精たちから自分の罪を聞かされ、絶望的にルサルカを呼ぶ。
王子はルサルカに抱擁と口づけを求める。それは王子に死をもたらすのだとルサルカは拒むが、王子は「この口づけこそ喜び、幸いのうちに私は死ぬ」と答える。
ルサルカはもはや逆らうことをやめ、王子を抱いて口づけ、暗い水底へと沈んでゆく。
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