オーディンとサンタクロースの関係は?
クリスマス・サンタクロース関連トピックス
北欧神話の主神オーディン(Odin)とサンタクロースの関係について、wikipediaで次のような解説を見かけた。
「オーディン - 北欧の神。葛野浩昭、アト・ド・ヴリースによれば、サンタクロースの原型で、近代のサンタクロースが影響を受ける。」
オーディンが「サンタクロースの原型」とは大変興味深い。具体的にどういった点がオーディンとサンタクロースを結びつける要素となっているのだろうか?それらしきポイントを簡単にまとめてみた。
軍神オーディンと8本脚の空飛ぶ神馬スレイプニル
二人の研究者について
本題に入る前に、上で抜粋した「葛野浩昭、アト・ド・ヴリースによれば」という二人の研究者について簡単にご紹介しておきたい。
まず、「アト・ド・ヴリース」については、これはおそらく『イメージ・シンボル事典』という書籍の著作者であるアト・ド・フリース(Ad de Vries)の事だと思われる。ヨーロッパの古典や神話研究の基本書的な大辞典で、著者の名前はネット上でも散見される。
次に、葛野浩昭(くずの ひろあき)については、東大卒の文化人類学者・大学教授とのことで、クリスマス関連の書籍として『サンタクロースの大旅行』(岩波新書)を執筆しており、おそらく同書でオーディンとサンタクロースの関係について解説されているのだろう。
オーディンとサンタクロースの共通点
北欧神話の主神オーディンは、古い英語では「Wōden ウォーデン」と呼ばれ、英語で水曜日を意味するウェンズディ(Wednesday)の語源にもなっている(ウォーデンの日)。
その姿は、つばの広い帽子を被り、長い髭を持った老人として描かれることが多く、もし赤と白のサンタ衣装を着せたら、そのままサンタクロースとして通用しそうな風貌をしている。
8本脚の空飛ぶ神馬スレイプニルとトナカイ
オーディンの愛馬は、8本脚の空飛ぶ神馬スレイプニル(スレイプニール)。サンタクロースに関連する動物と言えば、空を飛びソリを引く8頭のトナカイ(+赤鼻のルドルフ)が有名だが、この「空を飛ぶ8頭のトナカイ」と「8本脚の空飛ぶ神馬スレイプニル」はやはり何らかの関係性があるように思われる。
なお、トナカイとの関係という点については、オーディンの息子として位置付けられる北欧神話の雷神トール(Thor)が操るチャリオット(戦車)もルーツの一つとして言及されることもあるようだ。
雷神トールとチャリオットを引く二頭の黒山羊(黒ヤギ)
雷神トールとトナカイ
最強の軍神であり、雷を象徴する雷神でもあるトールは、二頭の黒山羊(黒ヤギ)、タングリスニとタングニョーストにチャリオット(戦車)を引かせており、スレイプニルのように空を駆けることもできたという。
サンタクロースがソリを引かせている8頭のトナカイのうち、Donder(ドンダ-)とBlitzen(ブリッツェン)と名付けられた2頭のトナカイは、それぞれ「雷鳴と稲妻 thunder and lightning」を意味しており、雷神トール(Thor)との関連性をうかがわせる。
ちなみに、雷神トール(Thor)の名前は、木曜日を意味する英語「サーズディ(Thursday)」の語源にもなっている(トールの日)。
また、アメリカの人気コミック(アメコミ)「マイティ・ソー The Mighty Thor」は、このトール(Thor)を主人公とした物語であり、映画化もされた。「ソー」はトールの英語読み。
最後に
このページにまとめた情報だけでも、確かにオーディンとサンタクロースは何らかの関係にありそうな雰囲気が十分に漂っている。
サンタクロースに限らず、北欧神話は様々な文化に影響を与えているので、北欧神話の基礎的な知識をある程度頭の中に入れておけば、後々になって思いがけないつながりに出会えるかもしれない。
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