おはぎ・ぼたもち 違いは?
お彼岸のお供え物/年中行事・年間行事トピックス
お彼岸のお供え物や行事食として欠かせないおはぎ(御萩)・ぼたもち(牡丹餅)。もち米を炊いたり蒸したりして米粒が残る程度に軽くつき、丸めてあんこやきなこをまぶした伝統的な和菓子だ。
おはぎ・ぼたもちについてクックパッドのレシピを見てみると、残り物の冷ごはんとおもちを使って電子レンジで手軽に作る方法や、サツマイモを使ったおはぎ、イチゴ大福風なおはぎ、赤飯おはぎなど、工夫を凝らした様々な形で食されている。
見た目も可愛らしく、春と秋の行楽シーズンやお彼岸の時期に是非楽しみたい、まさに国民的な行事食と言えるだろう。
おはぎとぼたもちの関係について
おはぎとぼたもちは、食材辞典なとでは同じ食べ物として紹介されることが多いが、実際にはある程度区別されて用いられているようにも見受けられる。一体どんな理屈で使い分けられているのだろうか?
よく見られる説明としては、ぼたもちは春に咲く牡丹の花(春牡丹/下写真左)に見立てた「牡丹餅」、おはぎは秋頃に咲くハギ(萩)の花(下写真右)に見立てた「萩の餅」として、季節ごとに名前を変えて用いる事が一般的なようだ。
季節ごとにお餅の呼び名を変えるという考え方からは、なんと春と秋以外、すなわち夏と冬についてもお餅の呼び方があるという(wikipediaより)。
夏の呼び名は?
まず、夏の時期の呼び名は「夜船 よふね」。船着き場へ夜につく船は真っ暗でいつ着いたか分からないが、おはぎ・ぼたもちも、米粒が残る程度に優しくついて作るので、いつついたか分からない、という言葉遊び。
冬の呼び名は?
冬の時期の呼び名は「北窓 きたまど」。冬には北の窓から月が見えない・分からないが、おはぎ・ぼたもちも静かな餅つきなので近所からもその様子が見えない・分からない、という言葉遊び。
お彼岸のお供え物に使われる理由は?
お彼岸のお供え物や行事食として定着しているおはぎ・ぼたもちだが、それはどういった理由が考えられるだろうか?
一説によれば、おはぎ・ぼたもちに使われる小豆(あずき)には邪気を祓う力があると信じられていたために、お墓参りなどの先祖供養の際、場を清める神聖な行事食として広く用いられることとなったようだ。
お彼岸の時期はもとより、葬式が終わり四十九日の忌明けの際にもおはぎ・ぼたもちを食する風習が存在する。
小正月の小豆粥や赤飯にも
ちなみに、1月15日の小正月(こしょうがつ)にも、邪気を祓い無病息災を願うという理由で小豆(あずき)を用いた小豆粥を頂く年中行事が現代まで伝わっている。
また、お目出度い出来事を祝う席で赤飯が供されたり、赤飯供養を行う神社も全国各地に存在するが、これも小豆が邪気を祓う力に由来する行事だ。かつては、凶事が起きた際の「縁起直し・厄払い」に赤飯を炊く風習もあったという。
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