マイボニー My Bonnie 歌詞の意味・和訳

スコットランド民謡/ビートルズのカバーで有名

『マイボニー』(My Bonnie Lies over the Ocean)は、作者未詳の伝統的なスコットランド民謡。邦題は『いとしのボニー』『ボニーよ我に帰れ』など。

「ボニー」とは、18世紀スコットランドのチャールズ・スチュワート(Charles Edward Stuart)を暗に意味している(詳細は後述)。

1962年にリリースされたトニー・シェリダン(Tony Sheridan)のアルバム『マイボニー』で現代風にアレンジされ、世界的に有名になった。

ビートルズ アルバム「From Liverpool To Hamburg」

ジャケット写真:ビートルズ アルバム「From Liverpool To Hamburg」

トニー・シェリダンのアルバムでバックバンドを務めたのは、世界中で最も有名なイギリスのロックバンド「ビートルズ(The Beatles)」。当時は「ビートブラザーズ」として参加していた。

【YouTube】The Beatles - My Bonnie

歌詞の一例 意味・日本語訳(意訳)

My Bonnie is over the ocean
My Bonnie is over the sea
My Bonnie is over the ocean
O bring back my Bonnie to me.

ボニーは海洋に ボニーは海に
ボニーは海洋に ボニーを返しておくれ

Chorus
Bring back, bring back
Bring back my Bonnie to me, to me
Bring back, bring back
O bring back my Bonnie to me.

<コーラス>
返して 返してくれ
ボニーを返しておくれ
返して 返してくれ
ボニーを返しておくれ

ボニーとジャコバイトの反乱

上述のとおり、スコットランド民謡『マイボニー』で登場する「ボニー」という名称は、スコットランドにおける歴史上の著名な人物であるチャールズ・スチュワート(Charles Edward Stuart/1720-1788)を暗示している。

チャールズ・スチュワートは、名誉革命で王位を追われたジェームズ2世の孫に当たり、ボニー・プリンス・チャーリー (Bonnie Prince Charlie)の愛称で呼ばれていた人物。

ステュアート家の復興を目指した勢力ジャコバイト

17世紀後半のイギリスでは、名誉革命によってカトリック教徒のジェームズ2世が退位し、プロテスタントのメアリー女王が即位していた。だが、スコットランドを中心とするカトリック勢力は、その後もジェームズ2世の血統に属するステュアート家の復興を目指していた。この勢力は「ジャコバイト」と呼ばれていた。

カロドン・ミュアの戦い(1746年)

カロドン・ミュアの戦い(1746年/左の人々がジャコバイト

ボニー・プリンス・チャーリーは、1745年にグレンフィナンで反乱の旗を揚げた。同年9月には首都エディンバラを陥落させ、その後の戦いでも圧倒的な勝利を収めていた。

しかし、やがてイングランド軍の圧倒的兵力の前に退却を余儀なくされる。ついには1746年4月のカロドン・ミュアの戦いで、決定的な敗北を喫することとなった。

参考:ジャコバイトの反乱が関係する曲

ロッホ・ローモンド(スコットランド民謡)
「ロッホ(loch)」とは、スコットランドの方言で「湖」を意味する。ロッホ・ローモンドとは、ローモンド湖の意味になる。ローモンド湖の東岸にある973mの山は、ベン・ローモンドと呼ばれ、ロッホ・ローモンドの2番の歌詞にも歌われている。
ヘンデル作曲『見よ、勇者は帰る』
ヘンデル作曲。運動会などの表彰式のBGMとしてよく知られている。

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