夕焼け小焼け

日本の童謡・唱歌/夕焼け小焼けで日が暮れて 山のお寺の鐘がなる

『夕焼け小焼け(夕焼小焼)』は、作詞:中村雨紅、作曲:草川信による日本の童謡・唱歌。1919年に作詞、1923年に作曲された(関東大震災の1か月前)。

作詞者の中村雨紅(なかむら・うこう/1897-1972)は、八王子市上恩方町(かみおんがたまち/旧・恩方村)出身の詩人・童謡作家。

写真:法起寺の夕焼け(奈良県/出典:ろまんすぐれーの徒然写真)

帰り道に見た夕焼けの情景

雨紅は1916年に東京の師範学校卒業後、すぐに第二日暮里小学校教師となり、1918年に第三日暮里小学校(下写真)へ転勤した。『夕焼け小焼け』の歌詞はこの第三日暮里小学校時代に作詞された。

小学校の教職員時代、雨紅は実家の恩方村(おんがたむら)から職場へ通っていた。当時最寄駅だった八王子駅から恩方村までは16kmの道のり。雨紅は毎日徒歩で駅と実家の間を往復したという。

『夕焼け小焼け』の歌詞では、駅から恩方村までの帰路に雨紅が目にした夕焼けの情景が歌い込まれている。

関東大震災を生き延びた楽譜

『夕焼け小焼け』の楽譜は、関東大震災の1か月前となる1923年7月末に文化楽社から出版された。

「文化楽譜―新しい童謡―」と題されたピアノ練習用の譜面帳に掲載されていたが、出版元は関東大震災で大きな被害を受け、楽譜の紙型から何から一切灰になってしまったという。

不幸中の幸いか、楽譜は既にわずか13部ほど人手に渡っており、それらは奇跡的に焼失をまぬかれていた。『夕焼け小焼け』は関東大震災を生き延びたのだ。

「小焼け」ってどんな意味?

『夕焼け小焼け』の「小焼け」とはどんな意味だろうか?このような質問をネットで見かけることがあるが、まとめると、大まかに次の二つの説があるようだ。

語調を整えるための意味のない言葉

「小焼け」とは、「仲良しこよし」のように、音のリズムや語調を整えるための意味のない言葉である。

夕焼け前後の情景

「小焼け」とは、「本格的な夕焼けになる前の微妙な頃合いの情景」、または「夕焼けがだんだん薄れること」、「日が沈んでから10分ぐらいして明るくなること」など様々な解釈が見られる。

試聴・歌詞:夕焼け小焼け

夕焼け小焼けで日が暮れて
山のお寺の鐘がなる
おててつないでみなかえろう
からすといっしょにかえりましょ

子供がかえったあとからは
まるい大きなお月さま
小鳥が夢を見るころは
空にはきらきら金の星

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