ケチャ kecak

インドネシア・バリ島/肉体と声の織り成す音楽劇

『ケチャ(kecak)』は、インドネシアのバリ島で行われる音楽劇。別名『ラーマーヤナ・モンキーチャント(the Ramayana Monkey Chant)』としても知られるこの舞踏劇は、伝統的な儀式「サンヤン(sanghyang)」をベースに、古代インドの大長編叙事詩「ラーマーヤナ(Rāmāyana)」を題材としたもの。

ドイツ人画家ヴァルター・シュピース(Walter Spies)とインドネシアの舞踏家が共同で考案し、1930年頃から演じられるようになった舞台芸術である。

ケチャの舞台は、まさに肉体と声のスピリチュアル・アートだ。上半身裸で腰布を巻いた大勢の男性が、幾重に重なった円陣を組んであぐら座りをしながら、動物の鳴き声を模倣した掛け声を独特のリズムで組み合わせ、両手を空に突き出し、揺らし、一つの塊となって熱い魂を駆け上らせていく。

『天空の城ラピュタ』とラーマーヤナの意外な関係とは?

天空の城ラピュタ サウンドトラック

「ラーマーヤナ(Rāmāyana)」は、ヒンドゥー教の神話と、古代英雄であるコーサラ国のラーマ王子に関する伝説をまとめた大長編叙事詩で、数多くの絵画、彫刻、建築、演劇、映画などの題材とされている。

日本では、宮崎駿(みやざきはやお)監督の劇場用アニメ『天空の城ラピュタ』において、いくつかその影響が確認できる。

例えば、ラーマーヤナで登場するジャナカ王の娘シーター(Sita)は、『天空の城ラピュタ』でいうヒロインのシータとして、ラーマーヤナにおける天空の神インドラの超兵器「インドラの炎(インドラの矢)」は、ラピュタの最終兵器「ラピュタの雷」として、それぞれラーマーヤナの影響を見ることができる。

実際に映画の中のセリフでも、ムスカ大佐がラピュタ基底部の兵器を起動した際に、「ラーマーヤナではインドラの矢とも伝えているがね」と言う場面がある。

ちなみに、『天空の城ラピュタ』の題材は「ラーマーヤナ」だけではなく、イギリスの作家ジョナサン・スウィフトによる小説「ガリバー旅行記(Gulliver's Travels)」に登場する天空の都市ラピュータも作品に強い影響を与えていると考えられる。

【試聴】ケチャ インドネシア舞踏

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