イスラエル国歌 歌詞の意味・和訳

ユダヤ教徒の魂が切望するは 眼差し向かう東の地 シオン

イスラエル国歌『Hatikvah ハティクヴァ(希望)』は、1897年にスイスのバーゼルで開催された第1回シオニズム会議における賛歌として採用されたもの。

国連決議に基づきイギリス委任統治領パレスチナから1948年に独立を果たしたイスラエル国において、『Hatikvah ハティクヴァ』は非公式のイスラエル国歌として採用された。

なお、『Hatikvah ハティクヴァ』が公式にイスラエル国歌として制定されたのは、建国から50年以上経過した2004年のこと。

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歌詞の意味・和訳

כָּל עוֹד בַּלֵּבָב פְּנִימָה
נֶפֶשׁ יְהוּדִי הוֹמִיָּה
וּלְפַאֲתֵי מִזְרָח קָדִימָה
עַיִן לְצִיּוֹן צוֹפיָּה
עוֹד לֹא אָבְדָה תִּקְוָתֵנוּ
הַתִּקְוָה בָּת שְׁנוֹת אַלְפַּיִם
לִהְיוֹת עַם חָפְשִׁי בְּאַרְצֵנוּ
אֶרֶץ צִיּוֹן וִירוּשָׁלַיִם

心の奥底に秘めた
ユダヤ教徒の魂が切望するは
眼差し向かう東の地 シオン

二千年の我等の望み
今だ失われず
祖国にて自由を勝ち取らん
シオンの地 そして エルサレム

英語歌詞

As long as in the heart, within,
A Jewish soul still yearns,
And onward, towards the ends of the east,
An eye still gazes toward Zion;

Our hope is not yet lost,
The hope of two thousand years,
To be a free people in our land,
The land of Zion and Jerusalem.

メロディのルーツはイタリア歌曲?

イスラエル国歌のメロディのルーツは、一説によれば16世紀イタリアのとある歌曲にまでさかのぼれるという。

イタリアからルネッサンス期のヨーロッパ中に広まり、ルーマニアやモルドヴァの民謡として定着し、現在の『Hatikvah ハティクヴァ』までつながっているとされている。

更には、ドイツ民謡『こぎつね』や、クラシック音楽のスメタナ『モルダウ』との関係性まで見いだされるというから面白い。

詳細については、『イスラエル民謡 有名な曲・音楽』内で紹介されているページ『ハティクヴァ Hatikvah』で。

歌詞の作詞者は?

イスラエル国歌『Hatikvah ハティクヴァ』の歌詞は、ユダヤの詩人ナフタリ・ヘルツ・インベル(Naftali Herz Imber/1856-1909)によって1877年に書かれた詩「Tikvateinu」が元になっている。

「Tikvateinu」の意味は、「Tikva ティクヴァ(希望)」、「teinu(我らの)」、つなげて「我らの希望(our hope)」を表す。

原詩は9節 修正されたリフレイン

詩人インベルによる原詩は全部で9節あるが、イスラエル国歌として採用されたのは第1節とリフレイン(繰り返し・コーラス)部分のみ。

また、リフレイン部分は最初の一行以外は修正が加えられた。英語の歌詞は次のとおり。『Hatikvah ハティクヴァ』での英語歌詞と比較してみると違いが分かるだろう。

インベル「Tikvateinu」 リフレイン部分(英語訳)

Our hope is not yet lost,
The ancient hope,
To return to the land of our fathers,
The city where David encamped.

いにしえの希望は 未だ失われず
祖国への帰還 ダヴィデの居た町へ

(注:ダヴィデ(ダビデ)は古代イスラエルの王。エルサレムに都を置いた。)

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