原曲はパパではなくママ?

グリーングリーンの謎 Green Green

グリーングリーン』の原曲『Green Green』では、日本語版のような「パパ」は一切登場せず、代わりに「ママ」が登場する。

さっそく、英語版と日本語版の歌詞を引用して比較してみよう。

a-Well I told my mama on the day I was born
"Dontcha cry when you see I'm gone"
"Ya know there ain't no woman gonna settle me down"
"I just gotta be travelin' on"

【原曲の翻訳(意訳)】

生まれたその日にママに言ったのさ
俺が出てっても泣かないでおくれ
女のために落ち着く気はないのさ
俺はただ彷徨い続けるだけさ

【日本語の歌詞】

ある日 パパと二人で 語り合ったさ
この世に生きる喜び そして悲しみのことを

これを見る限り、「ママ」が登場する場所は、日本語版の「パパ」が登場する部分とほぼ一緒のようだ。

それにしても、誰が何のために「ママ」を「パパ」に変えたのだろうか?この謎を解くためには、作詞者の片岡 輝氏について触れる必要がある。

作詞は『勇気ひとつを友にして』の片岡 輝

日本語版で「ママ」を「パパ」に変えてしまったのは、『勇気ひとつを友にして』で知られる作詞者の片岡 輝(かたおか ひかる)。片岡氏は1933年中国大連生まれ。少年期を北京で過ごした。

帰国後は慶応義塾大学卒業後、TBSに入社し、各番組のディレクター及びプロデューサーを経て、1963年よりフリーとなった。その後は、NHK関係の企画・演出、作詞・訳詞等に携わり、現在東京家政大学家政学部の教授を務めている。

本人が語る:「ママ」を「パパ」に変えた理由とは?

原曲の「ママ」が、日本語版で「パパ」になってしまった理由については、当時作詞を担当した片岡氏に直接尋ねてみないと分からないことは言うまでもない。

なんとこの点について、(株)教育芸術社の公式サイトで、片岡氏本人へのインタビューが掲載されていた。この貴重なインタビューの一部を引用してみたい。

「・・・そのときふと,日本の歌の中には,親子の心を通わせるような,特にお父さんをテーマにした曲はあまりないなあと思ったんですよ・・・」

「・・・全く私の作詞でして,訳詞ではないんです。・・・」

このインタビューによれば、片岡氏はとにかくパパが登場する親子の歌が作りたかったということだ。そこへ「ママ」が登場するアメリカのヒット曲『Green Green』が片岡氏の耳に入り、ある種のインスピレーションが起きたというわけだ。

グリーングリーンの謎 目次

グリーン・グリーン /ニュー・クリスティ・ミンストレルズ
  1. ニュー・クリスティ・ミンストレルズ
  2. 「パパ」ではなく「ママ」?
  3. 原曲の歌詞と日本語訳
  4. 当時のアメリカの時代背景
  5. パパをめぐる都市伝説とは?

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