グローリー・ハレルヤ Glory, Hallelujah
楽譜の表紙

リパブリック讃歌の謎 The Battle Hymn of the Republic

John Brown's Body右図は1861年にマサチューセッツ州ボストンのOliver Ditsonという出版社が発行した「グローリー・ハレルヤ(Glory, Hallelujah)」の楽譜の表紙です。

曲の内容は「ジョン・ブラウンの身体(亡骸)」もしくは「エルズワースの身体(亡骸)」なのですが、楽譜のタイトルは「グローリー・ハレルヤ」になっています。

恐らく、「ジョン・ブラウン」と「エルズワース」の両方をまとめて収録したかったので、どちらにも共通するフレーズである「グローリー・ハレルヤ」をタイトルに用いたのでしょう。タイトルとしてはこちらの方が見栄えがいいですね。

*image:Copyright (c) Duke University Rare Book, Manuscript, and Special Collections Library

<歌詞の一部>

Ellsworth's body lies a mould'ring in the grave,
(alternatively, John Brown's body lies a mould'ring in the grave)
Ellsworth's body lies a mould'ring in the grave,
Ellsworth's body lies a mould'ring in the grave,
His soul is marching on!

2.
The stars of Heaven are looking kindly down,
The stars of Heaven are looking kindly down,
The stars of Heaven are looking kindly down,
On the grave of poor Ellsworth!
(alternatively, On the grave of old John Brown!)

<以下割愛>

もはやジョン・ブラウンもエルズワースも出てきません

この楽譜の4枚目には、「Words dedicated to and sung by the Fourth Battalion of Rifles. 13th Regiment Massachusetts Volunteers」と前書きのある歌詞の記述が見られます。この歌詞をみると、ジョン・ブラウンもエルズワースも歌詞には登場せず、リフレインの形式も「ジョン・ブラウンの身体(亡骸)」の歌詞とは異なっているようです。

Cheer for the banner as we rally 'neath its stars,
As we join the Northern legion and are off for the wars,
Ready for the onset, for bullet, blood and scars!
Cheer for the dear old flag!

Chorus:
Glory! Glory! Glory for the North!
Glory to the soldiers she is sending forth!
Glory! Glory! Glory for the North!
They'll conquer as they go.

2.
Cheer for the sweethearts we are now forced to leave,
Think of us, lassies, but for us don't grieve,
Bright be the garlands that for us you'll weave,
When we return to your smiles.

<以下割愛>

「ジョン・ブラウンの亡骸」のメロディーの由来は?

ここまで見てきただけでも、「ジョン・ブラウン」バージョン、「エルズワース」バージョン、どちらも登場しないバージョン、と3つの歌詞のパターンの変化が見られました。まだこの他にも大統領選挙用の宣伝ソングとかいくつか亜種が見られるようですがキリがないのでこのへんで。

エピソード1「同姓同名のジョン・ブラウン」のページでも少し触れましたが、この「ジョノ・ブラウンの身体」という曲のメロディーは「Say, brothers, will you meet us」が元になっていると言われています。

「Say, brothers, will you meet us」

「John Brown's Body」

「Battlehymn of the Republic」

次のページでは、「リパブリック讃歌」のメロディーの元となったといわれる「Say, brothers, will you meet us」について簡単に見ていきたいと思います。この曲についても誰がいつ作曲したのかについて様々な主張がなされているようですが、その中でも比較的信憑性の高い説について触れていきたいと思います。

【次のページ】 本当の作曲者は誰?

リパブリック讃歌 誕生編 目次

  1. はじめに
  2. 父から受け継いだ血潮
  3. シークレット・シックス
  4. 特殊教育の道を開いたハウ氏
  5. ジュリア・ウォードとの出会い
  6. ハウ夫妻と北軍
  7. 真夜中の突然のひらめき
  8. もう一人のジョン・ブラウン
  9. エルズワースの亡骸
  10. グローリー・ハレルヤ
  11. 本当の作曲者は誰?
  12. メロディーの源流?
  13. ジョン・ブラウンの赤ちゃん
  14. 権兵衛さんの赤ちゃん
  15. ジョン・ブラウンの魂

関連ページ