楽に寄す(音楽に寄せて)

シューベルト(Franz Peter Schubert/1797–1828)

『楽に寄す(音楽に寄せて)』(An die Musik Opus 88 D.547)は、シューベルトによる1817年作曲の歌曲(D.550)。1827年出版。音楽の素晴らしさを讃え、感謝の意を表す内容。

歌詞は、シューベルトの友人フランツ・フォン・ショーバー(Franz von Schober/1798-1882)の詩から採られている。

ショーバーは、詩人としてのみならず作家や外交官としても活動し、フランツ・リストの秘書も務めた人物。自分の家にシューベルトを寄宿させていた時期もあり、『楽に寄す(音楽に寄せて)』以外にもいくつか自分の詩をシューベルトに提供している。

写真は、ウィーン・ホーフブルク・オーケストラ(ウィーン王宮オーケストラ)による2007年コンサートの様子(出典:Wikipedia)

【YouTube】シューベルト 楽に寄す(音楽に寄せて)

【YouTube】Karita Mattila sings "An die Musik"

歌詞の意味・日本語訳(意訳)

Du holde Kunst, in wieviel grauen Stunden,
Wo mich des Lebens wilder Kreis umstrickt,
Hast du mein Herz zu warmer Lieb entzunden,
Hast mich in eine Beßre Welt entrückt.

甘美なる芸術よ
心病める時も
人生の荒波の前にも
心に灯る暖かい愛情の光
別世界へと誘う

Oft had ein Seufzer, deiner Harf entflossen,
Ein Süßer, heiliger Akkord von dir
Den Himmel beßrer Zeiten mir erschlossen,
Du holde Kunst, ich danke dir dafür!

零れ落ちるハープの溜め息
甘く清らかな旋律
我を天国に誘う
甘美なる芸術よ
心から感謝の意を捧げん

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